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2017年2月19日 (日)

日本の海底資源に悩む

日本の再東端というと、南鳥島ということになるらしい。

Mapminamitorishima

その南鳥島のあたりの海底に「マンガン隗」があるという話は聞いたことがあったが、実際にそれがどういうものだかわかっていなかった。で、この度TVでその話を放映していたので、よくわかったということで。

これは「しんかい6500」からの画像なので、たぶん水深5700mの海底の画像で、マンガン隗(Manganese Noduleというらしい)がごろごろという様子。南鳥島の周辺の排他的経済水域に推定2億トンあるとか。

Image1

この「ノジュール」を半分に切ってみるとこんな感じになる。

Image2

マンガンを吸着した鉄粉が小さな核を中心に徐々にくっついて層になるらしいが、その速度たるや1cm積もるのに数百万年とかいう気の遠くなるような話で。

Image3

これはサメの歯のエナメル質に沈着したもので、こういうのが意外と多いらしい。

Image4

こちらは岩の周りに堆積したもの。こんなのもあるんだなぁ。

どうして南鳥島の周りにこんなにノジュールがおおいのかというと、海流の関係で砂が堆積しにくいためにノジュールが砂に埋まることなく長期間海底にいられるということがあるらしい。

さらに南鳥島周辺には太平洋プレート上で東から西へ南鳥島が移動する一億年の間に熱水噴出孔から噴出したレアアース泥が堆積した形で発見されている。このレアアース泥がマンガン・ノジュールの「元」になっているという仮説も提示されている。

こういう数百万年単位の遺産であるマンガン・ノジュールを一気に消費しようとしているわけだが、レアアースを使ったネオジム磁石なんかを使って鉄分などの高速沈着ができたりすると面白いんだけどなぁ。

Rareearthレアアースとして分類されるのはこの17種類だということだが(リチウムは入ってないのか?)、このなかでジスプロシウムという元素が南鳥島周辺に数万年分存在すると予想されている。

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コメント

海底は資源の宝庫、これはもう半世紀以上前から言われています、私が海洋学を学んでた頃が一番夢が有った時代かな。でもね、5千とか6千mの深さの海底から経済的に資源回収の手段が無いのですよ、色々な方法が試されていますがどの方法も採算的には無理、ガスで有るメタンハイドレートでさえ今のところ採算が合わない。

リチウムはレアではないそうで豊富に存在する資源の様です。

投稿: ををつか | 2017年2月20日 (月) 09時02分

番組のなかでも触れられていましたが、レアアースを独占しているどこかの国が値上げをたくらんだり、外交手段として使おうというときに、「価格では太刀打ちできないけれども、資源はあるのだぞ」ということが強みになるということでした。

メタンハイドレートと違ってノジュールは安定な固体なので磁石をたくさんつけたチェーンでずるずる引き上げてもいいし、垂直方向のリニアモーターみたいにして引き上げることもできるんじゃないでしょうか。

投稿: PicksClicks | 2017年2月21日 (火) 08時16分

5千メーターの水深って言うと、富士山の山頂より高い所から垂直に引き上げるって事ですよ。簡単ではないです、普通のワイヤーだと自重で切れてしまうんですよ。(1kg/mのワイヤーが5000mだと5トンです、耐荷重5トンのワイヤーはおおむねφ22です、これの重さが1.4kg/m、この例ですと通常の鉄ワイヤーでは成立しないことが判ると思います)、深海探査には、ステップドワイヤーと呼ばれる先に行くに従い細くなるワイヤーを使います。海底から物を引き上げるって中々大変な事なんです。

投稿: ををつか | 2017年2月21日 (火) 08時33分

でも、海中だと「浮き」が使えませんか? 水圧に耐えるように比重0.8くらいの液体を詰めた金属容器を10mおきにつけると、液体1リットルで200gの浮力が得られるので、それでワイヤの重さぐらいは打ち消せませんかね?

まぁそんな風に新たなチャレンジを考える機会にもなるかな?と。

投稿: PicksClicks | 2017年2月21日 (火) 21時59分

浮を使うと今度はその浮を沈めるエネルギーが問題になります、ですから、海底から物を引き上げるには、パラシュート状の物を沈めて引き上げる物に繋ぎ、空気でパラシュートを膨らませて浮力で引き上げます、そんな仕組みを自動で低コストで運用出来るように作ればよいのですけどね。この手の設備モノは規模が大きくなれば採算分岐点を越えやすくなるので、その辺の模索でしょうね。

投稿: ををつか | 2017年2月22日 (水) 07時31分

私の言っている「浮き」はワイヤの重さを相殺するためのものなので、エネルギーってのは必要ないと思います。

でも水深5700mだと570気圧ですからね、浮きを膨らますのも大変ですね。これ、この深度で電気分解したらやっぱり水素と塩素ができるんですかね?

投稿: PicksClicks | 2017年2月22日 (水) 22時38分

「ワイヤの重さを相殺するためのもの」こう、考えて行くと、比重が低くて引っ張り強度の強い物を使えばよいよ、って事になりますね、実際、深海探査にはケブラーケーブルなども使われています。

深海で海水を電気分解したら水素と酸素と、含まれてる塩素分で塩化水素が出てくるでしょうね。

投稿: ををつか | 2017年2月23日 (木) 10時31分

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