米朝の緊張に悩む
女は、この男と一生一緒にいたいと思っていた。 男は、一刻も早くこの女と別れたいと思っていた。 次の瞬間、二人の頭上で核爆弾が炸裂し、二人の願いが同時にかなえられた。 |
これは以前にも引用したことがある、アメリカのSF作家フレドリック・ブラウンの超短編だ。
一見相反するように思える二人の「願い」が同時にかなえられるというアイディアが気に入って何度も思い出すのだ。ブラウンの超短編と言えばこんなのもあった。
これはおそらく1960年代の作品で冷戦真っただ中だったから、核実験もしばしば行われていて核爆弾というのも今とは違うリアリティがあったのだろう。
で、気を取り直して現在を眺めてみると、北朝鮮とトランプが危険な意地の張り合いをしている。今朝も北朝鮮が数発の中距離ミサイルを発射したが失敗したらしい。
北朝鮮はここ数年何度もミサイル発射に失敗していて、おそらくはその度に責任者が銃殺されたりしていたのだと思うが、あれだけ頻繁に失敗すると、さすがに上級管理者とか上級エンジニアが底をつくという状態になるはずで、きっとそのあたりはうまくバランスを取るだけの判断はできているのだろう。
北朝鮮のICBMが本当の脅威になるにはまだ時間がかかるだろうというのが大方の見方だが、それまでの時間稼ぎというのかプレッシャーとしての挑発を北朝鮮はしたたかに考えているはずだ。その策略にトランプが軽率に乗ってしまうって手詰まりとなって、トランプが予測不能な行動に出る…というのが今最も危険なシナリオだ。
アメリカが北朝鮮をしのぐしたたかで狡猾な手を打てればいいのだが、いまの大統領では直感妄動なのでそういう手は打てそうにない。かと言ってヒラリーだったらうまくいったかというと、それもちょっとどうだかなぁ、というところ。
アメリカに中国ほどの狡猾さがあればいいのだが、まさか中国に相談するわけにもいかないだろうしなぁ。中国は北朝鮮に安い労働力を求めてビジネスを継続していて、北朝鮮を本気で押さえるつもりは一向にないらしい。
韓国は全くあてにならないので、ここは一発日本がなにかしたたかで狡猾な手を打つわけにはいかないものか。政権内部調整なんかしている場合じゃないだろう。
9月4日追記:
嘘か本当かはわからないが、北朝鮮はついに水爆実験を成功したとか言い出した。
日本としては、北朝鮮のミサイルが飛んできても、迎撃することができることを示さないといけない。実際に北朝鮮のミサイルを落とせるのが一番いいのだが、それだとまたいちゃもんを付けられるので、日本製のダミーミサイルを打ち上げて。それを撃ち落とすとか、あるいはH2ロケットなどの平和利用目的ロケットの一段目が役目を終えて落ちてくるところを迎撃するとか、そういうことはできないものかな?
高度250kmくらいの目標を迎撃するところを見せれば、北朝鮮はより高いところを目指さざるを得なくなる。これはいいプッシャーになると思うんだけどなぁ。
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コメント
もうとっくに無くなった米朝師匠が何悩んでんだろう、明らかに悩んでる録音でもあるのかな?、と不思議に思って読みました。
投稿: ををつか | 2017年8月27日 (日) 20時55分