ピアノソロで悩む
だらだらと長々しく書いてしまいそうなところをぐぐっと短くすると、久しぶりにキース・ジャレットのピアノソロを聴いたら、若いころのキース・ジャレットと違って円熟した演奏だった、と。
比較対象はこのアルバム。1970年代のピアノソロブームの火付け役だったんじゃなかったかな。カセットテープに録音して何度も聴いたものだった。
キース・ジャレットは耳によく残るメロディを作るので、このアルバムの最初の曲などはこのジャケットを思い出すだけで今でもそらで歌えるくらいだ。
当時のキース・ジャレットは、伝説となった「ケルン・コンサート」や「パリ・コンサート」でもうなり声をあげ、床を踏み鳴らしての演奏だった。傍若無人、唯我独尊という感じのフル・アドリブでコンサートをやってしまうという超尖がったピアニストだったわけだ。
「Facing You」の音源はオリジナルものが無かったので、カバーを持ってきた。キース・ジャレット本人ほどのアクの強さはないが、彼のメロディ感はよく再現できていると思う。
その後、何を考えたのか、それともECMのプロデューサーであるマンフレート・アイヒャーに示唆されたのか、「(オリジナルじゃなくて)スタンダードを演るぞ」ということでスタンダーズというユニットで演奏活動を始めてしまった。
キース・ジャレットのスタンダードについては「聴かず嫌い」でほとんど聴いていない。
え、今回たまたま聴いたのが、「Melody At Night With You」というアルバムで、スタンダード曲とオリジナル曲をソロ演奏していて、これがいい感じだった。
円熟したから、うなったり床を踏み鳴らしたりいてないと思っていたのだが、動画を見るとそういうこともやりそうな気がしなくもない。まだ円熟じゃないのか?
12月2日追記:
久しぶりに「Standards」を聴いてみた。キース・ジャレットの左手小指の筋肉がものすごいことを発見。右手はそうでもないのにね。左手小指はやっぱりルートをガンガン力入れて弾くからなんだろうか?
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コメント
Melody At Night With Youは持ってますが、全体にシンプルで静かですね。寝てしまいそうな。
Standardsは私も一枚も持ってないし、YouTubeでもほとんど聴かないです。
最近はどうしてるんでしょうね。病気がちみたいであんまり活動してないみたいな。
そうえば、バートン自伝に、イタリアでデュオコンサートをやったっていう話が出てました。Bootlegでもあるといいですがみつかりませんでした。
投稿: taki | 2017年11月29日 (水) 23時34分
訂正、StandardsはBye Bye Blackbirdを持ってました。1991年録音ですが、うなりまくってます。でもやっぱりあんまり聴いてない。
これに入っている Summer Nightは、Chick Coreaが例のVitous、Haynesのトリオのライブ盤、Trio Musicに入っているので、パソ通時代に聴き比べてコメントアップしたことがありました。Coreaの方は1984年でだいぶ前ですが、Coreaの方が私はいいです。
投稿: taki | 2017年11月29日 (水) 23時46分
私もStandardsは一枚だけ持っているようです。CDの現物は見つけていないのですが、mp3にしたものがありました。アルバムタイトルは「At the Deer Head Inn」というものですが、6曲目に再見黒鳥が収録されているので、国内版としてのタイトルは再見黒鳥なのかもしれません。
デジョネットは好きなんですが、ゲーリー・ピーコックが有名なわりにはなんだかピンと来ないんです。奥深いっていうか地味っていうか。
投稿: PicksClicks | 2017年12月 2日 (土) 10時14分
At the Deer Head Innはライブのようですね。再見黒鳥台東るはスタジオ録音なんで、違うアルバムでしょう。
デジョネットはサイドがいいですね。リーダー作の古いのを一枚持ってますが面白くなかった。他のリーダー作も面白くないというウワサです。昔、ゲッツのバンドで来日した時に見たのが一度切りです。
投稿: taki | 2017年12月 3日 (日) 11時01分
再見黒鳥とは違ったんですね。「枯葉」とかいうアルバムも買ったような気がしますが、そんなアルバムがあったんかどうかもよくわかりません。
デジョネットがリーダーになっているアルバムは私も1枚か2枚持っていると思いますが、あまり記憶にないのでよくなかったのかも(探す気もない)。
キース・ジャレットと二人で制作した「ルータ・アンド・ダイチャ」は好きでしたけどね。
投稿: PicksClicks | 2017年12月 3日 (日) 14時25分