英国流ジョークで悩む
笑いは国によって違う。アメリカンジョークは笑えなくてもなんとなく意図がまだわかるのだが、英国ジョークというのはどうもなんともよくわからない。
Mrビーンはまだわかりやすい方だが心の底からは笑えないんだなぁ。モンティ・パイソンはよくわからなかった。どうやら英国では有名らしい「耳にバナナ」というのも、最後に「あ、どうもすみません。耳にバナナが入っているのでよく聞こえないんですよ。」というオチである。そこはかとなくおかしいというのはわかるが、どこで笑っていいのやら、何とも困ってしまう。
日本のお笑いでこれに似たものというと、筒井康隆の「筒井順敬(こんな字だったかな?:順慶だったかな?)」に出てくる「元の木阿弥」という話で、木阿弥という僧が誰かの影武者をやっていたのだが、その誰かが亡くなってしまって影武者のお役御免となった。そこで木阿弥が独り言として「誰だって元の木阿弥になる可能性がある。」少し笑って「本人ならなおさらだ。」とつぶやく、というものだった。考えオチってやつですか?
今回気になったのが「Little Britain」というシリーズで、二人のコメディアンがいろいろなキャラクターを演じて、かなりどぎつい笑いを取っている。確かに面白いと思えるところもあるのだが、あからさまな人種差別とかLGBT差別に対して真っ向から非建設的に取り組んでいるので、日本人の常識としてはどうにも笑えないおかしなジョークに見える。
しかも、そのキャラクターごとにお決まりの「オチ」があるので、ストーリーが始まるとほぼ全体までのストーリーが透けて見える。こういうのがなぜ長期間にわたって高い人気を保てるのかどうにも不思議だ。
ここで一つだけサンプルを見ていただこう。これはLou & Andyというシリーズで、お人よしのLouが身体不自由なAndyの面倒を見続けるというシリーズなのだが。なんとLouが地元住民の賛同を得てAndyのためにバザーを開催し、その稼ぎでアメリカへ遊びに行くという背景があってのこのコントということを、まぁ知らなくても何の支障もないのだが、一応説明しておく。
言語はイギリス英語で日本語字幕はないが、セリフを理解する必要は全くない。
このLou&Andyをサンプルに選んだのは、唯一私が(受け止められる)衝撃だったコントがこのシリーズにあったからだ。残念ながらYoutubeではそのコントを見つけられなかったので簡単に説明すると、
「LouがAndyに女友達を紹介する。っていうか、たまたまカフェみたいなところで出会って、Louが何か用事で席を外してその女友達とAndyが二人きりになった。するとAndyはやおら車椅子から立ち上がり、車椅子を倒し、空中に浮いた車輪を手で勢いよく回す。そうしておいて、Andyは倒れたままの車椅子の座面に座る。そこへ帰ってきたLouがAndyにどうしたのかと聞くと、Andyは『この女が俺を殴り倒したんだ』。」
ね?笑いどころに困るでしょ?
私はまだ答えを見つけていないのだが、このシリーズをいろいろ見ていると笑いの本質というのか、笑いの方程式みたいなものがつかめるような気がするのだが、まぁそれも気のせいかもしれず…。
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