カスタムTシャツを作ってみようと思った。どうして急にそうなったのかというと、ちょっとしたところでTシャツを見て、「これならちょっとひねったものを作れるなぁ」と思ったからだ。
個人が簡単に(安く)カスタムTシャツを作るにはいくつか方法がある。同じパターンで何枚も作るのならシルクスクリーンなんていう方法もあるが、これは個人でやるには難易度が高すぎる。もっと手軽に作れるものを列挙すると以下のようになる。
1) 転写する
インクジェットで普通の紙に左右逆転させて印刷し、日焼け止めクリームを塗ってTシャツに当て、体重をかけてアイロンをかける。
あるいは、転写用の印刷用紙というのもあるらしい。
2) 型紙+スプレー
印刷するなどして型紙を作り、Tシャツに当ててラッカースプレーを吹き付ける。家の中では問題を起こしそうだし、外でやるにしても風が強いとダメとかいろいろと制限がある。
3) 型紙+クレヨン
Tシャツに型紙を当て、プラスティック製のクレヨンを鉛筆削りで削ったものを上からふりかけ、クッキングペーパーを重ねた上からアイロンをかけてクレヨンを定着させる。削ったクレヨンのテクスチャが残るのが難点というか、味というか。
4) 型紙+アクリル絵の具
Tシャツに型紙を当て、アクリル絵の具を塗り付けて硬化させ、型紙を外す。アクリル絵の具には木工用ボンドを混ぜるといいらしい。おそらくアクリル絵の具だけだと固くなりすぎるのだろう。硬化させるのにアイロンをかけるということをしている人もいるが。これはいらないんじゃないかと思う。
それぞれYoutubeで見つけた方法なので、もう一度探してリンクを貼るなどすればいいのだが、まぁとりあえず最後まで書いてからにしよう。
結局私は4)の方法を採った。一つにはアクリル絵の具というのに興味があったからだ。アクリル絵の具というのを初めて聞いたのはディック・フランシスの小説で、だった。まぁその話はいいや。
アクリル絵の具っていうと、ターナー色彩みたいなちゃんとしたメーカーのものを使おうと思っていたのだが、今回はとりあえずのお試しなので100円ショップで買ったものを使った。
Tシャツもダイソーで買ってみた。100円、200円、300円のものがあったので一枚ずつ買ってみたのだが、100円のはいかにも肌着というものだったし、300円のはユニクロで売られているような、汗がすぐに広がるような薄手のものだったので、200円のものをカスタム化することにする。
型紙を印刷するのは簡単だ。元になるパターンに手を加えてA4のラベルシート(はがしやすい:A-one 31271;10枚入りで600円ほど)に印刷する。それを100均で買ってきたデザインカッターで切り抜いてTシャツに貼る。貼る前のTシャツはアイロンをかけて綺麗な平面になるようにしておく。「NASE」が何であるのか、ということは聞かないでくれ。
ここにアクリル絵の具を乗せていく。筆は使わずに、エポキシ接着剤を混ぜるときに使っているプラスティック製のヘラを使う。

このあと、アイロンをかけて型紙を剥がす。

これで一応出来上がりだが、ちょっと問題がある。
・準備した絵具の量が足りなかった。木工用ボンドと混ぜた絵具の量が小指の第二関節から先くらいだったのだが、これでは足りなくてSとかEのあたりに十分乗せられなかった。
・型紙の周りを養生しなかったので、アクリル絵の具が型紙の外側にはみ出している。
・型紙の接着が甘くて、「E」の右側あたりで絵の具が型紙の下に潜り込んでいる。
・型紙を置く位置が高い。Tシャツの両脇を結ぶ線が文字列の中心線になるくらいがいいと思う。
なのでもう一度やり直し。型紙の周りをマスキングテープで養生する。絵の具の量も親指の第二関節の先くらいにする。

しかし文字の位置はまだ高かったようだな。
こうして出来上がったものは十分硬化させた後に水洗いして木工用ボンドを洗い流し、乾かした後で洗濯する。すると絵の具をよく混ぜなかったところの色が薄くなったりする。でもまぁそれは「味」ということにして。
で、そういえば以前にも
カスタムTシャツで悩んだことがあって、その時にはエッシャーの絵をTシャツにしたいとか書いていたのだった。今回はNASAのTシャツを見たとたんにこの図案を思いついたものだから、エッシャーのことはすっかり忘れていた。次回はもうちょっとましなTシャツを買って(499円)まともな絵の具でトライしようと思う。
最近のコメント