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2019年1月14日 (月)

アクリル絵の具で悩む

アクリル絵の具を使ってカスタムTシャツを作ったりしているわけだが、デザインカッターで型紙をちまちまと切ったりするのが案外に楽しいのでだいぶ経験値も上がってきたような気がする。パターンによって切る方向を変えたり、剥がす方向を工夫したりというふうなノウハウも蓄積されてきた。

いまのところ、一番うまくいった例がこれで、ユニクロのTシャツに銀色(っていうか灰色)の色を乗せたものだ。

Pooh2

そんなふうにして闇雲にTシャツを作っているのだが、いまだにアクリル絵の具がうまく使えないでいる。

なんでアクリル絵の具を使っているのかというと、なによりも水性であって特殊な溶剤が要らないということが大きい。臭いもしないし、換気を考えなくてもいい。水性であるのに、いったん乾燥させると耐水性を持っている。乾燥させた後は色移りしないというのもいい。

しかし、型紙の上からアクリル絵の具を塗り付けておいて、それを乾燥させてから型紙を剥がすわけだが、この過程でたびたび失敗する。自然乾燥させると乾燥した絵具が剥がれたりするし、アイロンをかけると定着性がよくなるようではあるが、こんどは型紙とがっつりくっついて型紙を剥がすときに塗料も一緒に剥がれたりする。

Layers
塗料が硬化して型紙を剥がすときに、上の図で青い点線で示したところで塗料がちぎれてくれればいいのだが、なかなかそううまくはいかなくて塗料が剥がれすぎたり、残りすぎたりするわけだ。

アクリル絵の具を塗り付けるときにはわけもわからず木工用ボンドを同量くらい混ぜており、接着剤をそのままにしておいてはいけないと思って乾燥後に水洗いしているのだが、この水洗いで接着剤が流れ出している感じが全然しない。

木工用ボンドは硬化すると透明になるが、水にさらすと白くなる。そういう現象は見られないし、洗い流す水にぬめぬめ感もない。これはひょっとして絵の具と化学反応しちゃってるんじゃないんだろうか?

そんなふうに思いながらアクリル絵の具関係のWEBを見ていると、アクリル絵の具にはメディウムという、添加物のようなものがあるらしい。この添加物によって例えば乾燥後につやを出したり、逆につや消しにしたり、とかいろいろあって、その中に「定着性をよくするメディウム」というのがあり、その代用品として木工用ボンドが使える、ということになっているらしい。

Nunoenogu4 で、ここになぜかこういうものがあって、「布えのぐ」というくらいだから、たぶん布に対して定着性のいいメディウムが配合されているんだろう。

私の目的には100%合致しているのだろうから、使えばよさそうなものだが、きっと高級品だろうと思ってなかなか使えないでいる。もっと経験値を上げるまではDAISOのアクリル絵の具と木工用ボンドを使うつもりだ。

カスタムTシャツを作りすぎて需要もネタもなくなってきたので、ギターの布ケースにネタ(製品名)を書きつけてみようと思った。
Speedstercase
これがその結果で「Speedster」というのが一見うまくできているようだが、これにはいろいろと苦労した。

拡大するとわかるのだが、黒字に銀色を乗せるつもりの銀色が小汚く飛び散っている。

Speedster_title

これはあらかじめわかっていたことではあるのだが、ケースの生地が粗くて型紙の粘着がうまくいっていなかったのだ。つまり型紙が浮いてしまっていて型紙と布地の隙間に塗料が入ってしまって各文字の形が定まらず(つまり失敗)、それを黒い塗料を筆塗りして覆い隠すということをやっていたのだ。しかし、それでも隠せないところがあちこちに残っている、と。
「S」の上の部分を拡大したものがこれだ。生地の粗さと塗料の漏れ具合がよくわかる。

Speedster_texture

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コメント

アクリル絵具のメディウムっていうのは、アクリル樹脂エマルジョン(正しくは水性分散体)で、樹脂の微粒子が水のなかに分散してます。牛乳はタンパク質の分散体ですが、あれと一緒です。

水が蒸発するにつれて樹脂同士がくっついて固まっていくので水に溶けなくなります。

アクリル絵具はこの樹脂分散体と顔料(色)を混ぜてるだけみたいなもんです。

木工ボンドは普通はアクリルじゃなくて酢酸ビニル樹脂の分散体ですが、まぁ、似たようなもんですので、混ぜれば一緒にくっついて固まります。化学反応が起きるわけじゃなくて、一緒に固まるんです。だからボンドだけ溶け出すということはありません(そういう意味ではなかったのかな?)。

アクリルメディウムも乾燥後に水に濡らすと白くなりますが、顔料で着色してるとそれがわかりにくいのです。

理屈はとにかく、型紙は絵の具が乾く前に外した方がきれいに取れそうですが、いかがでしょうか。

それから絵の具は水で薄めないか、薄めるにしてもごくわずかにして、スポンジなどで叩くように色付けするとにじみにくいです。

スポンジも絵の具を多く含ませるとかえってにじむので、予め適当な量になるように新聞紙なんかに叩いて調整したほうがいいですね。

投稿: taki | 2019年1月16日 (水) 20時33分

>化学反応が起きるわけじゃなくて、一緒に固まるんです。

なるほど。一緒に固まっているしまうとボンドも水に溶けなくなるんですね? そこんとこを誤解していたというか、まぁ要するにわけもわからずやっているわけですが。

硬化前に型紙を外すのは,剥がすときに型紙に付いている塗料が布地の思わぬところへ付着しそうで躊躇しています。塗料が硬化する前に型紙を外すと、塗料がの上に何か落ちやしないかとか、気になっちゃうんです。クッキングシートを貼りつけてアイロンをかけると、あとの取り回しが楽なんです。

でも硬化前に型紙を外すのはやってみます。アドバイスをありがとう。

投稿: PicksClicks | 2019年1月16日 (水) 21時59分

一般的にはアクリル絵具の樹脂は反応性はないので、アイロンかけてもより強くなることは、ほぼないです。ただ硬化が早まる可能性はありますね。普通に乾燥した場合、初期硬化は乾燥後は数時間もあれば十分ですが、完全硬化には1週間以上はかかります。

アイロンかけるタイプは普通のアクリル絵具ではなくて、熱で反応してより強くなるタイプだと思います。

「布えのぐ」も熱反応タイプではないので、使い方には「アイロンでの熱処理は不要です」と書いてます、というか、アイロンかけても変わらないんですね。

https://turner.co.jp/art/nunoenogu/index.html

逆にアクリルは熱可塑性樹脂なんで、やりすぎると軟化してクッキングシートについたりしないかと心配です。冷えれば戻りますが。

投稿: taki | 2019年1月16日 (水) 23時13分

完全硬化には1週間ですか。私の理解(希望)では30分で初期硬化、24時間で完全硬化だったのですが、甘かったんですね。ギターの塗装面の補修なんかをアクリル絵の具でやったりしてたんですが、数時間後に光沢を出せるかと思って練り歯磨きを付けてこすってみたら、塗料が全部落ちてしまいました。

硬化後のアクリル絵の具に誤ってアイロンを直接当てたらアイロンに絵の具(顔料?)が付いてしまいました。すぐに拭き取ったので問題にはならなかったですが、危うく「アイロン使用禁止」を食らうところでした。

投稿: PicksClicks | 2019年1月19日 (土) 09時35分

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