車の静電気で悩む
「AdPower」と言う製品のことをひょんなことで知った。スピーカ-に貼ると音が良くなるというのだ。
なんじゃそりゃ? と思いつつこの製品のことを調べてみると、これ本来は車のボンネット内で吸気口あたりに貼り付けるとトルクアップ・馬力向上・燃費向上が期待できるというものだった。シールのサイズは27mm×75mm。銅板上に顔料を塗布してあるのだという。
特許番号が公開されていたので、特許6176759を読んでみると「 本積層体がこのような効果を奏する理由は必ずしも明確ではないが、燃焼装置が取り込んだ、正の電荷を帯びたまたは汚染物質が付着した酸素に対し、本積層体から発生されるマイナスイオンが作用することによると考えられる。」と書かれている。このステッカーがどういう仕掛けだかマイナスイオンを発生させるらしい。
詳しい資料なんかを見てみるとトルクが6%ほど上がるとか謳っている。6%なら体感できる範囲じゃないかなぁ。
空気中の静電気が悪さをしているのなら、まずは「解放」というか、つまりアースに逃がすことをすればいいと思う。ボンネット内に金属製の網を固定して電気的にボディアース電位にすればいいんじゃないか(つまりアースする)、とか考えたり。
で、いろいろと調べてみると、まず空気は帯電する。帯電するとその分子なのかクラスタなのかそういうものが(同極性なので)互いに反発しあって見かけ上膨張したようになる、のではないか。
そうすると、ある意味空気が薄くなったような状態になって、つまり単位体積当たりの酸素量が少なくなる。しかし、エンジンのコンピュータはそんなこと知らないから、標準的な酸素量を前提として空燃比を計算して燃料を噴射する。結果として間違った空燃比でエンジンは動作することになる。つまりカブり気味になってしまっている状態で動作している。
そこで空気の帯電を解放してやると、空気が正常化されてコンピュータが期待した通りの空燃比となって、本来のトルク・馬力・燃費を実現する事ができる。っちゅうことなんじゃないだろうか。
なのでこんなものを作ってみた。真鍮線をコイル状に巻いたものに導線をつけてその先にワニ口クリップを付けた。
これをエアーインテークの入り口に設置した。これくらいなら流入する空気の抵抗にはならないだろうと思って。
で、走ってみたらどうなのか?というのはまだ走っていないのでわからない。
翌日追記:
⇒走ってみた。簡単に結果だけ言うと、7.5km/lだった燃費が8.6km/lになった。ただし、7.5km/lというのは過去1か月の平均燃費であり、8.6km/lというのは今朝トリップメータをリセットした後4kmほど走ったときの実測値である(平均燃費もそのときリセットされる)。過去一か月はほぼ街乗りしかしておらず、遠乗りや高速走行はしていない。今朝走った4kmは純然たる街乗りである。
一方、走った時のトルク増大というのは感じなかった。私が鈍感なだけなのかもしれないが、坂を上るのにどれだけ踏み込んだかなんて覚えてはいられないし。
11月18日追記:
平均燃費をリセットしてから40kmほど走った。平均燃費は9.5km/lまで伸びた。今までの経験で9km/l台っていうのはあんまり経験がない。街乗りではもうちょっと低くて7km/l台から8km/l台、遠乗りすると20km/l近くまでは行くが、その後街乗り中心の運転になるとだらだらと8km/l台まで落ちる。
で、平均燃費リセット後45kmで、この帯電防止装置を外してみた。帯電防止が効いているのなら燃費はがっくり落ちるはずだ。でも平均燃費は落ちない。55kmまで走ったが、燃費は上がり続けて10.0km/lまでになった。なぁんだ効いてないってこと? しかし、街乗りで9km/lっていうのは燃費よくなってるなぁ。この季節はそうなのか? 運転が丁寧になったのか?
12月7日追記:
トリップ | 区間距離 | 平均燃費 | 区間燃費 | コメント |
0 | 0 | 7.5 | 0 | 7.5km/lは装置装着前の平均燃費 |
33 | 33 | 8.6 | 8.6 | 装置装着後の燃費 |
45 | 12 | 9.5 | 13.34 | ここで装置を外す |
55 | 10 | 10 | 13.1 | 街乗り |
214 | 159 | 11.4 | 11.98 | 二号機装着・高速道路と山道を159km走行 |
226.2 | 12.2 | 11 | 6.81 | 街乗り |
237.1 | 10.9 | 10.9 | 9.17 | 街乗り |
240.1 | 3 | 10.9 | 10.9 | 街乗り |
243.2 | 3.1 | 10.8 | 6.31 | 街乗り |
246.1 | 2.9 | 10.7 | 6.02 | 街乗り |
255.9 | 9.8 | 10.6 | 8.59 | 街乗り |
261.9 | 6 | 10.5 | 7.49 | 街乗り |
275.8 | 13.9 | 10.5 | 10.5 | 街乗り |
285 | 9.2 | 10.4 | 8.1 | 街乗り |
288 | 3 | 10.3 | 5.4 | 街乗り |
グラフにするとこんな感じ。
| 固定リンク
「自動車」カテゴリの記事
- 車の静電気で悩む(2022.11.13)
- ブレーキの「カックン」で悩む(2020.08.13)
- 長距離ドライブで悩む(2018.07.01)
- 怪しい車に悩む(2018.06.11)
コメント
「正の電荷を帯びたまたは汚染物質が付着した酸素に対し」って、この記述が凄いですね、酸素原子もしくは分子に何らかの物質が付着するんですかね。
マイナスイオンてな言葉も、科学的に否定されているしね。
それから吸気口につけた真ちゅう線のコイルですが、今どきの車は、結構吸気口とか限界設計してますから、小さな異物でも層流が乱流となり悪い影響が出るかもしれませんよ。
投稿: ををつか | 2022年11月20日 (日) 08時50分
吸気口の限界設計というのは、最大出力を絞りだすような状態じゃないんですかね。街乗り状態くらいの吸気ならたいして邪魔にはならんのじゃないかという希望的観測です。
投稿: PicksClicks | 2022年11月20日 (日) 09時11分
2000ccのエンジンが2000rpmで巡航している時、4cycleなので1分間に2000cc×1000=2000lの空気を吸入する。ただしこれはアクセル全開の場合なので、街乗りならスロットル開度は20%くらいかな? だとすると1分間に400lの空気吸入。1秒あたりなら6.7l。空気吸入口の断面積は20cm2なので、吸気の流入速度は33cm/secになる。
この速度でどの程度の静電気が起こるのかはわからないが、フルスロットルで6000rpmまで回すと、流入速度が5m/secになって、これなら相当な静電気が起こるんじゃないだろうか? 知らんけど。
投稿: PicksClicks | 2022年11月21日 (月) 17時59分