« 2023年12月 | トップページ | 2024年8月 »

2024年7月の1件の投稿

2024年7月 6日 (土)

電子サックスで悩む

 酒を飲まないしタバコも吸わない、ゴルフもしないしネクタイ労働をする気がないのでウチの子供たちは「父の日のプレゼント」で困ってしまうわけだ。「コメハゼを死ぬほど食べたい」という案は「死なれたら困る」ということで却下され、「割れせんべい1Kg」で手を打ったということもあった。(facebookに随時書き込んだものを転載しています。)
Ewi
 今年はちょっと違った。私にもほしいものがあったのだ。電子サックスだ。EWIともいう(Electric Woodwinds Instrument)。本格的なEWIはMIDI信号(電子化された音符情報:Musical Information Digital Interface)を出力することができて、しかるべき機材に接続するとその音符情報を加工したり様々な楽器の音で鳴らすことができる。そんなEWIのオモチャみたいなものが数千円で売られているのだ。おそらく音を出すことだけに機能を集中させているのだろう。ちゃんとしたEWIなら数万円するので、これは欲しい。アナログなサックスのオモチャは持っているのだが、デジタルものも欲しくなったということだ。このオモチャがどの程度使えるのか使えないのか見極めたいのだ。
ただし、メーカー名も製品名も全くわからない。
 さて、ではどの程度だったかというと、
・運指は独特で慣れるには時間がかかる。
・音程はさすがにしっかりしているし、ブレスコントロールもいい感じ。
・オクターブ切り替えは使いにくくてなれるには時間がかかる。慣れないかも。
・4つのサイドキーはフルートやサックスなどのF#キーみたいなものかと思ったが、全然違う。
・左右の2つずつのサイドキーは原則として半音上昇・半音下降なのだ。
・トーンキー(右手用3つ、左手用3つ)を全閉したとき、半音下降キーで全音下がる。つまり「ド」になる。
・キーはすべてタッチセンサーでストロークはない。つまり押し込むことはできない。
 つまり慣れればいいんだが、時間がかかりそう、というところ。
 興味ある人も多いと思うので、マニュアルの一部も引用しておこう。
Digitalsax
 
 一週間ほどちょこちょこと遊んでいて、いろいろと分かってきたことがある。
 まずは訂正だ。「すべてのキーがタッチセンサ」というのは間違いだった。オクターブ指定のキーは物理的なスイッチでクリック感がある。
 このスイッチに関しては引用しているマニュアルにも間違いがあって「長押しすると+1オクターブ」なんて書いてあるのだがこれが間違い。オクターブ切り変えるのに長押しなんてやってられない。瞬時に切り替わってくれないことには実用にはならないし。「+1オクターブ」というのも間違いで、もしそうだったら例えば8オクターブの音域でもカバーできることになるが、実際には上中下の3オクターブしかなくて、それを選ぶだけだ。とはいっても3オクターブあれば十分なんだけど。
 まずいのは半音上下キーがタッチセンサであることで、これらのキーもクリック感のある物理キーだったらよかったのに、触るだけで利いてしまうものだからこれをミスタッチすることで無茶苦茶になってしまう。コストカットの犠牲になったのかな。
 だから、半音上下キーを不用意に触らないように絶縁することを考える。簡単に言うと絶縁用のビニルテープ片を貼ってやればいいのだ。ほかにも熱収縮チューブとか絶縁塗料とか、あるいはキーを短く切ってしまうという手もあるな。
 ということで試しに絶縁テープを貼ってみた。確かにミスタッチは減るね。でも持続可能性が問題だ。ビニテはネチャネチャが残っていやだし。ま、とりあえずお試しだ。
Dsaxvyniltape
 マニュアルによればBlueToothやUSBを介してMIDI信号を出力できるはずなんだが、どちらも成功していない。
 
 本機をUSBでPCに接続するとWindows10はMIDI機器として認識するが、そこからアプリケーションにデータを渡すことができないようだ。BlueToothでスマホへ接続することもできる(BLE MIDIとして認識する)が、やはりアプリケーションへMIDIデータを渡すことはできない。

 お試しということで演奏したものを一発撮りしたものをYoutubeにuploadしたが非公開設定なのでここからは参照できない。購入して二日目だからこんなものだと思うのだが、あんまりひどいのでまたあとで録画したものを公開するかもしれない。


 オモチャとは言え、学ぶことはたくさんある。というか、使いこなすためにはいろいろと学ばなければならない。
■まずは絶縁テープを貼るという話だが、これには失敗した。ビニールテープで成功したかに見えたがこれは成功していなかったことが分かった。ビニテがネチャつくので透明なマニキュアで代用しようとしたが駄目だった。あれ?これって絶縁できないのか?とか思いつつ薄い透明テープで試してみる。この透明テープは厚さが0.02mmでビニテの0.16mmよりはずいぶん薄いが絶縁に関しては実績がある。ところがこれもダメなんだなぁ。そこでもう一度ビニテで試すと、これもダメだ。ビニテを4枚重ねてもダメだ。え?これって接触センサじゃなくて静電センサなのか?
 キーにそろそろと指を近づけてみるとキーの1mmくらい離れたところで効いてしまう。静電センサだったか。この件はしばらくペンディングだな。
■購入二日目にして「お試し」をやってBbが抑えにくいということを言い訳として
書いたが、この件に関しては進展があった。まだ思い付いただけでちゃんと練習していないんだけれども、BbということはつまりA#なのでBbが押さえにくいのであればA#として押さえることを考えてもいい。同じ音を出すのに複数の操作があるというのは普通の(アナログ)楽器ではあまりないことなのだが、このデジタルサックスでは同じ「Bb/A#」を出すのに図のように二つの方法がある(サックスモードの運指)。
このBbで二つのキーを押さえなければならず、その二つが離れているので「Bbが押さえにくい」と言ってたわけだが、こういう替え指で乗り切るという方法もあるな、と。
Fingerpattern_20240819084001
■オクターブキーがうまく使えないということを言ってたのだが、上中下の3オクターブのうち下のオクターブをデフォルトとして使うことにすると、常に下オクターブキーを押さえていることになるが、そのほうが返ってコントロールしやすいように思う。これはまだ練習中。


 もう一つ特記事項として、なんだか電池の減りが異常に早い。電池容量は800mAHということだが、3日持たないっていうのはちょっとどうかと思う。リバーブなんて機能を入れるからDSPがバリバリ働いているのだろう。電池が切れる時には何の予告もなくパタリと止まり、あれれと思って電源再投入しても反応がない、ということになる。
 ただ、充電しながらでも動作するので。モバイルバッテリーを常備していれば問題ないとは言える。

 ピッチシフトというボタンがあって、440Hzとか442Hzとかを切り替えるのかと思ったがそうではなくて半音単位でTransposeするということらしい。ピッチは440Hzであるようだ(実測値)。
 実際に操作してみると、±12半音まで変化させることができる。ということはつまり±1オクターブ音程を変えられるということだ。楽器の音域としては3オクターブしかないが、楽器の音程が1オクターブ上下できると音色としてもずいぶん変わることになって使える範囲が広がりそうだ。例えばフルートがアルトフルートになったりサックスがバリトンサックスになったりするわけだ。
 もともとデフォルトとして上中下の下のオクターブを選んでいるので、そこからさらにもう一オクターブ低く設定することができるわけだ。ただ、そういう設定にすると音の立ち上がりが遅くなる。そんなことまでシミュレーションしているのだろうか?

| | コメント (0)

« 2023年12月 | トップページ | 2024年8月 »