炭酸水メーカーで悩む
クエン酸を1kgくらい買ってしまって、捨てるのもナニなのでいろいろ活用しようとしている。例えばロケットを飛ばしてみたりしたのはもう3年前になる。
その後、「アホになった炭酸水を救う」なんてこともやってみたが、なかなかハマるほどまでにはいかないものだ。
そんなころにTVで見た「炭酸水メーカー」に憧れたりしていた。あの「シュワーッ」っていうのがいいよね。ああいうのがあると、飲み物が何でもおいしくなるように思ってしまう。数千円から1万円を超えるくらいで買えるようではあるのだが、あの機械はその場で二酸化炭素を作っているわけではなくて、二酸化炭素のボンベを買わないといけない。
例えば「CO2ボンベ B-38 38g 10本セット 汎用タイプ対応」というのが2080円とか。これ、38gということなんだけど、CO2は分子量44なので38gというと0.86モルになる。ということはシャルル・ドゴールの法則(冗談)により1モルの気体は22.4リットルになるから19.3リットルの二酸化炭素がこの小さなボンベに詰め込んであることになる。ボンベの内容積はよくわからないが、50ccだとするとその中の圧力は386気圧である。ほんとかよ。
では、PETボトル内でクエン酸と重曹を反応させて作られる二酸化炭素の圧力はどれほどのものだろうか? 今までのところでざっくりとした安易かつ容易な方法で測定して大体5気圧とかそのへんだろうという見当はついている。でも、もっとちゃんと測りたい。
するとアマゾンで圧力計が売られているのを発見。当時は1100円だったのが今では769円になっている。
PETボトルのフタに10mmの孔を開けこの圧力計をねじ込んでビニル系接着剤で隙間を塞ぎ、それでもまだ心配なので、どんなことがあっても抜けて飛び出さないようにちょっとピッチのあっていないナットをはめた。ピッチがちゃんとあっていれば根元まで締め付けられたと思うのだが、まぁとりあえずはこんなところで。
この圧力計はフルスケール1M(メガ)pascalということで、購入前にいろいろ悩んで多分フルスケール10気圧ということなんだろうと見当をつけた。多分間違っていないと思う。
この動画は昨年の8月に撮影したもので、当時はBLOGに書こうなんて全然考えてもいない暗黒時代だった。撮影目的も動画編集の練習ということで、いろいろ無駄なことをやっている。ということは(今気が付いたのだが)公開用ではなかったんだなあ。
で、クエン酸と重曹が反応すると圧力がどんどん上がっていくことを期待していたのだが、実際には化学的平衡というやつで4気圧くらいで平衡してしまう、ということらしい。
市販の炭酸ガスボンベを調べてみたところ、少なくとも100気圧くらいで充填されているようだ。そりゃ100気圧もあれば水中に入れなくても吹き付けるだけでシュワーっと水面へ突き刺さっていくわなぁ。4気圧だとうまい具合に泡を出すようなノズルを水中にいれて炭酸ガスを噴射しないと炭酸水にはならないだろうと思われる。
つまり4気圧じゃなくてもっと気圧を上げたいわけだから、化学的に平衡している環境を変えてやればよいのではないか。早い話が温度を上げてやれば平衡気圧はあがるはずだ。
なのでクエン酸溶液を作るのにお湯を使ってみた。沸騰したお湯をPETボトルに入れてみると、お湯の掛かった部分が変形してしまった。これはまずい。あわててPETボトルを冷水で冷やして水温を70度くらいにしてから重曹を投入した。その結果がこれだ。
まず、場所を変えてシンクにした。最悪の場合熱いクエン酸溶液をあたりにぶちまける可能性に気が付いたからだ。
写真ではPETボトルが自立せず、シンクに持たれているのがわかるだろうか? 熱で柔らかくなったPETボトルが膨張して、底の桜の花びらのようなところが膨らんでしまって、自立できなくなっているのだ。これはやばい。
やばいやばいと思いつつも圧力計の目盛りを読むと7気圧くらいを指しているような気がする。8かもしれないがまぁ7気圧としておこう。100度から順次温度を下げていってそれぞれの気圧をグラフにしたかったが、これは早めに諦めた。
実験の後でPETボトルを見てみると、恐ろしや底の部分がのっぺらぼうになっている。これは恐ろしいな。7気圧が得られるとしても、これではこわいので、せいぜい50度くらいにしとかないと危なくて仕方がない。(50度ならOKと言っているわけではありません)
7気圧の圧力を受けると、PETボトルのやわなフタはこんなふうに変形してしまっている。気圧計が飛び出さんばかりである。まぁここが敗れても安全のためのナットをかましてあるので大丈夫だろうと思うんだが。
こういうわけなので、最終的な組み立てもできる体制にはなっているのだが、強度的に不安があるのでまだ「炭酸水メーカー」の実験はできていない。
ちなみにこんなボールバルブをPETボトルのフタに取り付けて、ビニルチューブをつなぎ、8mm系の真鍮パイプに導くところまではできているのだ。あとはそのボールバルブの固定に不安がある、ってところですね。
(つづく)
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