炭酸飲料の気が抜けたもののことを、関西では「アホになった」という。いったんアホになった炭酸飲料を元に戻すkとはできないだろうか?
そういう疑問を抱きつつ、クエン酸ロケットで遊んだりしていたのだったが、クエン酸ロケットで発生した二酸化炭素がクエン酸中和液にどれくらい溶け込むのか気になって調べてみた。
そうすると、
こういう資料があったりして、なるほどな、と。
つまり、液温が0度くらいのときに水中に溶け込む二酸化炭素は、液温が30度くらいになると半分くらいが空中に放出されてしまう。いったん放出されてしまった二酸化炭素は、液を冷やしてももう元には戻らない。
しかし図を見てわかる通り、二酸化炭素の圧力をかければ液体をカーボナイズすることができる。ん? 二酸化炭素? 圧力? それって私が
クエン酸ロケットでやってることじゃないか。

つまり、こういうことだ。こうやって二つのボトルをパイプでつないで、片方のボトルで二酸化炭素を発生させ、もう一方のボトルに圧力をかけようというわけだ。
しかし、ボトルのふたにパイプをつながないといけないのだが、それがうまくいくかな? ダダ洩れだとどうにもならないけど、大丈夫だろうか?
フタとパイプの接合部については考えがあった。パイプの中に小さなリングを入れればいいのだ。これが突っ張りとなってパイプとフタを密着させることができるのだはないか。

図示するとこんな感じ。こんなふうにしておくと、フタとリングがパイプをはさみつけるような形になって密着してくれるんじゃないか、という目論見だ。
しかし実際に作ろうとすると、まずこの小さなリングがなかなか難しかった。パイプは
以前に自分の呼気圧力を測ってみようと思って買った外径5mm、内径3mm弱の軟質ビニルパイプ。一方針金は1.6mm径の軟鉄で、これを約3mmのリングにしなければならない。

リングはこんなペンチを使って作る。これ ユザワヤでそこそこの値段で買ったものだが、最近100均の店先で発見して結構ショックだった。
このペンチはリングをパイプの中の位置調整にも使うので、これがないときっと悩みっぱなしになったことと思う。
一方で、フタに穴をあけるのはドリルで簡単にできるだろうと思ったのだが、これが案外に手間がかかった。フタが案外に固いのだ。
で、とりあえず何でもいいやと思ってそこらへんにあったフタを使って二本のボトルをつないで小さい方のボトルにクエン酸溶液を作り、ティッシュで包んだ重曹を投入してすかさずフタをする。
しかしこれがダダ漏れで、特にジュースのPETボトルのフタがダメだった。大きい方のボトルには水道水を入れて冷蔵庫で冷やしたものを使ったのだが、散々振ったんだけれども結局「アホな炭酸水」くらいにしかならなかった。

それが昨日の話で。今日はウイルキンソン炭酸をもう一本買ってきてフタを付けなおす。今回はさ
らに密閉度を高めるためにフタとパイプの間をビニル系接着剤で固める。
写真で黄色く見えているのが接着剤で、写真中央に苦心のリングが見える。
再度、小さいボトルにクエン酸溶液を作り、ティッシュに包んだ重曹を投入する。そしてすかさずフタをする。すぐにPETボトルが緊張して「キンッ!」とか音を出している。密閉度は完ぺきなようだ。
大きい方のボトルに入れた水を振って二酸化炭素を溶けやすくする。時間はどれ位かければいいんだろうなぁ?
待ちきれずに数分で大きい方のボトルの水を賞味したが、うん、これはなかなかいけるぞ。市販の炭酸水くらいのシュワシュワ感がある。これは面白い。
調べてみると、
農水省の規定で、素の炭酸水で約3気圧、果汁などを入れた炭酸飲料は0.7~1気圧ほど加圧しているらしい。
酒を飲む趣味があったら、ハイボールを作ったり、スパークリング焼酎にしたりとかできるんだろうけれどもそっち方面はまったくダメなので、まぁカルピスソーダでも作ってみようかな。あとはスパークリング緑茶とか紅茶とかコーヒーとか、牛乳はたんぱく質が固まったりするかな?
翌日追記:
たまたまほうじ茶があったので、冷蔵庫で冷やして二酸化炭素を加圧してみた。
でも、ほうじ茶を振ると泡が出るんだなぁ。「お前が泡立ってどうする!?」とか言ってみても効き目ないし。
ほうじ茶の表面が泡でおおわれてしまうと、二酸化炭素が浸透しないじゃないか。
しかし頑張って振ってみる。二酸化炭素を発生させている方のPETボトルで泡が出なくなったころを見計らってフタを外して飲んでみる。
ビミョー、っていうか飲んだことのない味だ。甘くすればおいしく飲めるかもしれない。炭酸っぽいシュワシュワ感はまぁあると言えばある。
まぁ、何に限らず開発というものは一筋縄では行かないものですな。
注意!:PETボトルでこういう加圧実験を行う場合には、必ず「炭酸飲料用のPETボトル」を使ってください。やわなPETボトルでは破裂するなどして怪我するかもしれません。翌々日追記:カルピスソーダを作ってみたが、5気圧ほど加圧したにも関わらずシュワシュワ感が全くなかった。その代わり、なのかどうだかわからないが下痢をした。因果関係がよくわからないが、他には何にも口にしていないのでやはりこれが原因だと思う。
4月15日(翌々翌日)追記:発泡豆乳を作ってみた。
重曹を投入するのにフタを閉める時間を稼ぐためにティッシュでくるんだりしていたが、これだとティッシュが破れて逆効果だったりするので逆にサランラップで重曹を包んでみた。
結論から言うと、サランラップは失敗だった。ラップで包んでもクエン酸溶液は染み込んで重曹と反応して二酸化炭素を発生させるから、それでラップが中から弾けるだろうと思ったのだが、クエン酸溶液はラップの下の方から染み込んで、二酸化炭素は上から逃げるのでラップを弾けさせるほどの勢いはない。染み込んだクエン酸溶液は重曹で中和されてその場にとどまるので反応はそこで止まってしまう。中和されたクエン酸ナトリウム溶液がラップの外側のクエン酸溶液と入れ替えるには、ボトルを揺すり続けないといけない。
結局重曹が全部反応することはなく、数時間ゆすっても半分くらいが残ってしまった。
圧力ゲージも作り込んでみたのだが、見た感じでは厚量はせいぜい2気圧というところ。
期待した発泡豆乳を飲んでみたが、確かにちょっと炭酸を感じるのだが、言うほどではないというところ。もっと圧力をかけたいなぁ。
この写真では右側がクエン酸+重曹で、圧力ゲージのパイプが見える。空気柱は写真ではよく見えない。
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