カテゴリー「ニュース」の15件の記事

2020年8月30日 (日)

さよならメッセージに悩む

今朝の朝刊に掲載された、としまえんからの2面ブチ抜きさよならメッセージ。

Toshimaen_bye

 

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2018年1月14日 (日)

被害者ばかりの国に悩む

Munprs いわゆる「慰安婦合意」について、隣の国では「破棄はしないが履行もしない」ということに決めたらしい。つまり「骨抜き」ということだが、その理由を読んで驚いた。「2015年の合意は被害者中心主義に反する」というのだ。

は? 「被害者中心主義」? なんですかそれ? はじめて聞きますが。

聞くところによると、かの国では「被害者こそが一番偉い」ということが信じられているらしい。たとえ加害者であっても「実は俺も被害者なのだ」と言うことによって被害者になれるという不思議な論理だ。
一体そんな論理をだれが何を根拠に言い出したのかよくわからないのだが、その論理によるとかの国自身が日本の植民地であったことを根拠に「被害者」なのであり、その被害者たるかの国には加害者である日本に対して永遠に優位に立っている、ということらしい。

そんな主義を信奉しているとどういうこになるか? 正義ではなく法治でもなく「俺は被害者なんだよう」というと「加害者」に対して優位に立てる社会っていうのがうまく想像できないのだが、そもそも誰が被害者を認定するんだろう?ということに始まって、なんだかおかしなことになるんじゃないだろうか。

そう考えると、かの国の独特の論理構造とか、さらにその北隣の国の論理構造、その南北のやり取りのトンチンカンさもなんだか(わからないなりに)筋は通っているのかなぁ、と思ったりする。

誰もかれもが被害者になりたがっている国に未来なんてないと思います。

1月15日追記:

「被害者中心主義」というのは誤訳で、原語は「Vitim Centered Approach」ということで、被害者中心手法くらいに訳すのがいいのかな。犯罪被害者を救済する手法というか、考え方らしい。

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2017年10月 9日 (月)

カリフォルニアのペットショップで悩む

先月、カリフォルニア州上院議会である法案が全会一致で承認された。あとは知事の署名を待つだけだという。

その法案とは「ペットショップは保護された動物(具体的には犬、猫、ウサギ)しか店に置けない」というものだ。つまり、ペットショップはブリーダーやパピーミル(劣悪な条件で犬などのペットを量産する工場)から動物を仕入れることができなくて、日本でいえば保健所のような保護施設からしか動物を仕入れられない、ということになる。

ブリーダーから買いたい人は、ペットショップじゃなくてブリーダーへ行くだろうしほかの州のペットショップでも買える。パピーミルも生き残るためにはそれなりの工夫を凝らすだろうから、実効性はどうなんだろうかとは思うが、世の中の動きがそういう方向へ動いているっていうことなんだろう。

それにしても、こういう法案が全会一致で通過するっていうのは、なかなかの思い切りっぷりだと思う。日本人の感覚ではちょっと意外に思うのではないだろうか。

Darmecian_lemon 昔、高級犬の純潔血統を守るために、例えばダルメシアンだと白黒のブチ模様が薄い個体は処分されるということを聞いたことがあって、それはむごいなぁと思ったものだったが、そういう事態を招かないようにということも含んでの立法処置なんだろう。

生き物を飼いたいという気持ちは誰しも持っているものだと思うが、ええと、ペットについての考えがうまくまとまらないので、そっちの話はまたの機会に。

というわけで、日本とはペットに対する考え方が違うらしい国で、そんな法律ができるんだそうです。

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2014年5月 1日 (木)

フェリー転覆で悩む

4月16日、韓国のフェリー「Sewol」が沈没し、300名余が死亡行方不明となっている。亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、行方不明者の無事帰還を望みたい。

この船は日本で建造され、18年使用されたあとで中古船として韓国へ売却された。購入した船主は後部のオープンデッキを改造して客室とした。この改造によって239トンの重量増加となった。当時の排水量6800トンに比べれば大した増加ではないとも言えるが、増築したのが船体後部の高い位置であったため、この工事によって重心位置が51cm高くなった。

この改造に対して韓国の船体を管理する部署は条件付きで承認した。その条件とはバランスをとるために一定量(詳しい値は今わからない)のバラスト水(船体の下部に積載される)を必ず積むこと、ということであった。

しかし、この条件は船を運用する管理部局には伝わっていなかった。

2013年3月15日から運航を開始したSEWOL号は常習的に過積載を繰り返していた。試験航海の1回を除く157回の航海においてSEWOL号は過積載の状態で運用された。

なぜ過積載による運用が可能であったかというと、つまりは港でのチェックが甘くて「満載喫水線が海面上に出ていればOK」というものだったからだ。

過積載すると喫水線が下がってしまうので、それを防ぐためにバラスト水が捨てられた。そのためにSEWOL号は常に不安定な状態で運航されていたのだった。

4月16日も、何事もなければそんな不安定な状態でなんとか目的地である済州島へ到着できるはずだった。しかしこの時はそうは行かなかった。

事故の1ヶ月前にも操舵装置の変調は検知されていたらしい。一等航海士が「1月前にもそう出したら不安定になったことがあった」と供述しているらしい。

実際、操舵装置に関する修理要請が稟議され、船長ならびに社長までの決済がおりていたとの報道がある。だが実際に修理が行われたかどうか、行われたとすればどんな修理であったか、ということは報道されていない。

事故はSEWOL号が右へ急旋回したために起こった。この時操縦していた三等航海士(26歳、女性)は「5度転進と指示したのに舵は大きく右へ切られた」と言っている。また操舵士は「私にミスがあったかもしれないが、舵はいつもより大きく回った」と供述している。あとで、三等航海士は「左へ」と言ったのに右へ舵が切られた、との報道もあった。

濃霧のために出港が2時間半遅れたので(予定:前日18時30分;実際:前日21時)、SEWOL号は本来の航路ではなく、近道をして島々の間を抜ける航路を取っていた。当初「座礁」と報道されたのはそのためかとも思われるが、この領域には明確な暗礁はなく、むしろ速い海流が航海の難度をあげていた。

この三等航海士はこの会社での経験が4ヶ月と浅く、本来ならこの難しい区間を操縦するはずではなかったのだが、操縦の受け持ちは4時間単位で交代することになっており、濃霧のために出発時刻が遅れたことでこの区間を受け持つことになったということだ(突っ込みどころあり:最後の2時間半は誰が操縦することになっていたのだ?)。

Sewolsanken

SEWOL号が急に転進したため、積み荷が崩れ、また大型トレーラー3台をも含む積んでいた車両も船倉内で左側に寄ってしまった。荷物などはロープでくくられていただけであり、車両は固定されていなかった。ロープは荷崩れにより簡単に切断されたものと思われる。車両がどうなったかはわからない。

荷崩れのためか、船内に「ドーン」という音が響き渡ったという。この辞典から船は左へと傾きだし、本来なら持っている復元力が全く働かず(重心が高い上にバラスト水が少なく、燃料の大部分を使っており朝食のための飲料水も使いきって、もさらに荷崩れという状態)、転覆に至った。

事故が起こった時、船長は自室に「用事があった」と供述しているが、実は携帯電話でゲームをしていたという目撃談もある。船長は事故直後に艦橋へ船員を集めて脱出するわけだが、この時になにか口裏合わせをしたのではないか?というのは私の勘ぐり。

その後の救助が連携を欠き、救えたはずの多数の命を失うことになるのだが、そこは割愛する。

だからこの事故の原因というのは「整備不良で重心の高くなった船が、やはり整備不良で変調をきたした操舵装置による急な転進で転覆した」ということになる。

遠因としては船体の改造を承認する部署、実際に運航するときにその船を管理する部署、そして船の荷物を管理する部署がそれぞればらばらで連携がとれていないために過積載な運航を見逃していた、ということに尽きる。

船を運用していた会社はどうもこの船の不安要素を知っていたらしく、今年の2月28日に中古船として売りに出された(売却物件として登録された)ということが報道されている。SEWOL号は約11.5億円で購入され、改造に3億円ほどをかけたとされているが、中古船として売るとなるとその価値は10億円未満と推定されている。

損失を出してまでドル箱である済州島航路のスター級フェリーを売りに出すのは、さっさと売ってしまいたい理由があったのではないか、と考えられてしまう。

また、SEWOL号を所有する清海鎮海運は同等の積載量を持つ「オマハナ」号も過積載で運航していたものと見られ、SEWOL号とともにその責任所在が問われることになるだろう。

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2013年9月 4日 (水)

不思議な地震に悩む

今朝の9時18分、地震があった。最初は小さな揺れだったが次第に大きくなり、これはまた東北あたりで大きな地震があったのか、と思った。

この程度の地震は珍しくもないが、しばらくしてWEBで震源を調べてみて驚いた。震源はなんと鳥島だという。何かの間違いじゃないのかと思ったが、あちこちのサイトを見てもそういうことになっている。鳥島が震源だったら西日本がもっと揺れてもいいんじゃないか。

Earthquake201309042

さらに驚いたのは震源の深さだ。震源が地下400kmだというのだ。ちなみに2011.3.11の地震では震源の深さは45kmではなかったか。

そもそも日本の地震のほとんどはフィリピン海プレートとか太平洋プレートとか北米プレートとかが重なりあったところで起こるのだが、これらのプレートの厚さはせいぜい100kmなので、今日の地震はそのはるか深い所、マントル層の上層で起こったことになる。

これってどういうことなんだろう? マントル層ってどういうことが起こるところなんだろう? 最大震度4ということでなんだかニュースでもさらっと流されそうなんだが、有識者の
わかりやすい説明をお願いしたいものだと思う。
9月6日追記:
こういうのは深発地震というらしい。有識者による解説がWikiにあった。要するに他のプレートの下へと潜り込んだプレートがさらに力を受けて変形することによる地震であって、震央から離れたところで震度が大きくなったりするのは、地震の振動がその変形したプレートを伝わって伝搬するからだ、というふうに解説している。
信じるか信じないかはあなた次第です。

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2013年7月28日 (日)

スペイン高速鉄道事故で悩む

スペインでの高速鉄道事故は、事故の瞬間の動画も公開されているが、まだその全容が解明されていない。亡くなった方々のご冥福をお祈りする。

この動画を見て思うのは、8年前のJR西日本福知山線の事故である。この事故に関して私は原因を「速度を超過したままカーブに入ったが、ブレーキをかけたために先頭車輌の後ろ側の台車への加重が減少し、遠心力によって車体後部からねじられるような形で左へ横転した。」と推測した(福知山線の事故はスペインとは逆の右カーブで発生)。私の推測は想定した列車構成(客車と動力車の台数と順序)が実際と違っていたので説得力のないものになってしまったが、スペインの事故動画を見て、まさにこの「後ろから突き上げられて横転する」というパターンなのではないかと思った。

スペインの事故動画をよく見ると、3両目あたりが後ろからひねられるように横転しているようにみえる。これはそれぞれの車両によってブレーキの効きが不均等なために、ブレーキのよく効いた車両がブレーキの効いていない車両に追突されるような形になって後部を押し上げられ、後部車輪に垂直にかかる重量が見かけ上軽くなってしまって遠心力に負けて横転したのではないだろうか。

ニュースによれば列車は制限速度80km/hのところを190km/hで走っていたという。いったいどういう教育をしているのかさっぱり分からないが、列車の制限速度というのは自動車のそれとは違って設計された鉄路の上を走っているのだから厳密に守らないといけないものなんじゃないんだろうか?

しかし、事故の原因はそのスピード自体ではないと私は考える。原因はブレーキである。ブレーキを掛けなければ列車はあのカーブを無事に抜けていたのではないだろうか。ベテラン運転士はあのカーブを何度もその速度で走っていたが、その日は何かの加減で速度の釣果を感じて減速しようとした。そしてそのブレーキの効きが不均等であったためにこの惨事が発生した、のだと思う。

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2012年6月12日 (火)

自殺志願者の犯罪に悩む

自殺するつもりで包丁を買ったが死に切れず、死刑になることを狙って無差別殺人に走った。自殺する勇気はなかったが、他人を殺害する勇気はあったという。そんなことがあり得るのか? あるのだなぁ、これが。

以前にこういうのを代理自殺と呼んでみたりしたのだが、どうもしっくり来ない。間接自殺? 他力自殺?

秋葉原で無差別殺人を行った加藤智大には死刑判決が出たが、こんな奴に死刑はもったいない。死刑にしちゃダメだ。「死んだほうがマシだ」と思わせるくらいツラい刑にしてやればいい。「なぶり殺し」じゃなくて「なぶるが殺さない」だ。

そういうふうにしないと、これからも「死刑にしてもらうための無差別殺人」というのが無くならないんじゃないか。

ただし、その刑がどんなにツライかは秘密にする。秘密にした上で、何度も何度も繰り返すということを周知させる。で、つらい目に何度もあわせた上で、「あ、死んじゃったよ。」というのもアリにする。そんな刑を作ってください。


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2011年4月16日 (土)

震災の余震に悩む

きょう、大きな余震があったのだが、栃木県だったとか、いやそうじゃないとかなんだかよくわからない。

余震は続いているが、これはいつまで続くのだろう? そんなことは誰にもわからないのだが、3月11日の震災からの日からのデータを見るとなにかわかるのかもしれない。

単純に、毎日の地震の数をグラフにしてみたのがこれだ。4月初めには収束しそうに見えたのだが、4月6日と4月11日あたらいに何かがあったらしく、また余震が増えている。基本としたデータはこちらのものを使った。どうもM4.5以上のデータを表示しているらしい。グラフはこのページの制限サイズを超えているので、圧縮して表示している。画像をクリックするとフルサイズの画像を見ることができる。

気象庁のデータベースを使いたいのだが、まだ整理中とかで使えないのだ。

Quakedaily

余震も連続すると不気味なので、余震の連続具合を見てみようと思って作ったグラフがこれだ。地震の数を3時間毎に数えたものをグラフにした。まぁ、まばらにはなってきつつはあるような、ないような。こちらも4月11日になにかあったような事を示しているような気がしないでもない。こちらのグラフもフルサイズで見るにはクリックする。

Quake_by_3hours

余震がなんとなく南下しているような気がして嫌なのだが、それを確かめようと地震マップをパラパラマンガふうにしてみようと思ったのだが、作業量の多さとツールの貧弱さに負けて手をつけられないでいる。例のJapan_Quake_Mapのページを1日ごとに表示させてGIFアニメにすればいいと思うのだが、だれかやってくれないかな?

上記二つのグラフを作ったEXCELデータと、まだGIFにしただけの日毎のマップを置いておきます。

「Quake20110311-0416.xls」をダウンロード

あ、だめだ。マップの方は圧縮しても18メガあるので、ここにはおけないや。

4月24日追記: 3月11日から4月24日までの震源地マップをGIFアニメにしてみた。 ただし、一旦ダウンロードしてからブラウザにドラッグ・ドロップしないと見れないようだ。1280×1024というでかいものなので、大画面でないと見ることができないかもしれない。パラpラアニメを見た限りでは余震が南下しているという感じはない。フィリピンプレートが安定しているように見える。追記終わり。

3月11日から今日(4月16日)までを一枚に表示したマップをおいとこう。これもクリックするとフル画象になります。


Quakemap201103110416


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2011年4月 2日 (土)

スロースリップで悩む

以下は希望的観測である。「こうだったらいいな」と思って書いていることなので、鵜呑みにしたり、真に受けてよそで吹聴しないように注意していただきたい。以下はあくまでも希望的観測なのだから。

まずこの図は2011年3月11日に始まった東日本大震災の震源を示した図である。震源は深さに寄って色分けされているが、マグニチュードはこの図から読み取ることができない(クリックすると拡大されます)。出典はこちら

Japanquake

余談になるが、こうやって震源の位置と深さが分かっているのだから、時間を追って震源を3次元的に表示することが出来れば、余震を様相することができそうなものだと思うがどうなんだろう?

Groundplatesさて、日本人の大人ならたいてい知っていることと思うが、日本という国はいくつかのプレートの合わさるところに位置しており、それが多くの地震を生み出している。

ここで改めてプレートの配置と、先の震源の分布を比べてみれば、今回の大地震が太平洋プレートと北米プレートとの拮抗で発生したのだということがよくわかる。

では、ユーラシアプレートとフィリピン海プレートとの拮抗はどうか? 3月11日の次の週あたりには長野県や静岡や九州で地震が起こってひやりとしたものだが、今のところこちらの拮抗は小康を保っているようだ(だから希望的観測ですからね)。

で、以前から気になっているのが、タイトルにした「スロースリップ」だ。

地震というのはプレートが別のプレートの下へもぐりこんで、もぐりこまれた方のプレート(今回は北米プレート)が跳ね上がるようにしてそのストレスを解消することによって発生する。しかしその跳ね上がりが徐々に行われたとすると、それは小さな地震がずるずると続くスロースリップという形になって現れる、のかもしれない(希望的観測)。

スロースリップは、2000年から2005年頃までに、ほぼユーラシアプレートとフィリピン海プレートとの狭間で観測されていた。この件については国家的見地からいろいろな機関で研究されており、例えば文科省ではこんなレポートが出ていて、こんな図が掲載されている。

Slowslipwestjpn

でもこの報告にしても、「スロースリップでプレートのエネルギーが解消されているから、安全かもしれませんよ」なんてことはひとことも書いてない。そんな事書いて地震が起こったら、それこそ責任問題っていうか、自信を持ってそんなこと言える人はだれもいないのだ。

だから、私がこうやってBLOG界の片隅で「希望的観測なんですからね!」と断りながら自分を安心させようとしているわけだ。いやほんとにこれは希望的観測なのでね。

スロースリップをキーワドとして検索すると、いろいろ引っかかってくるので、興味のある人は調べてみてください。私がいかに「希望的」に書いているかがわかると思います。


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2011年3月27日 (日)

停電生活に慣れて悩む

停電で暗くなった街を歩いたり、駅前がなんだか暗くなっていたり、エスカレーターが運転休止になっているのを見たりすると、なにか物哀しい反面、これも悪くないかもとか思ったりして。なんだか、「三丁目の夕日」的な気分になっているのは私だけでは無いようで、そんなことをかいてあるBLOGもあったりするようだ。

 

日本人ってそんなに順応性がよかったんだっけ?

 

で、そんな(やや)質素な生活を見ていて思い出すのが「ウァベリ地球を征服す」というフレドリック・ブラウンのSF小説だ。

 

ウァベリ(Waveries)は形を持たない生命体で、地球がそれに征服されてしまうのだが、形がなければ問題ないのではないか、と思うのは間違いで、この生命体はなんとあらゆる電気エネルギーを食い尽くしてしまうのだ。

 

つまり、ウァベリに征服された地球上では、全ての電気が、つまり電気製品が使えなくなってしまうのだ。

 

点火プラグが使えないから、ガソリンエンジンも使えず、ディーゼル・エンジンなら使えるはずだが、セルモーターが使えないとか、ガソリンスタンドが電気なしでは事実上使えないとか、まぁそんなことで、大パニックになってしまう。

 

ウァベリは雷なんかの自然現象の電気を食ったりして地球に居続けてしまうので、人類もそれに順応していかざるをえないわけだ。

 

で、パニックが収まって世界は電気のない世界に順応してしまう。まず交通機関が馬と馬車になる。エンタテインメントはTVやラジオなどの電波ものから劇場における実演が主体となる。あちこちの街には劇団や楽団ができて、人々はそういう劇場に集まるようになる。

 

で、世の中が落ち着いた頃、主人公(確か新聞記者だった)は静かな夜に近所の誰かが練習しているフルートだかなんだかの音に耳を傾けながら、「こんな生活も悪くないな」とか思いつつ「でも俺はあの雷が好きだったな」とかつぶやくのだった。

 

本当にそんな事になったら、トヨタがバイオ技術で燃費のいい馬を生産したり、全ての駐車場が駐馬場になったりするんだろうか?

2022年2月15日追記:

「ワヴェリ地球を征服す」フレドリック・ブラウンの原語でどうぞ。

https://www.you-books.com/book/F-Brown/The-Waveries

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