この記事がさっぱりわからない。酪農製品に関税をかけることをやめて「関税を所得補償に切り替えれば、消費者も生産者も利益を得る」というのだが、このロジックがさっぱりわからないのだ。
その根拠として著者が示しているのがこの図だ(リンク先はニューズウイークジャパン)。

「価格は需要と供給のバランスで決まる」ということはよく耳にするので、この需要曲線と供給曲線というのもきっとそういうノリで書かれているのだと思う。
そっち方面の入門サイトなどで見てみると、「需要曲線というのは消費者から見たときの価格と消費量の関係。安いものはたくさん買うが、高くなると
消費量は少なくなる」とある。なるほど、それはわかる。しかし、価格がゼロになっても消費量が有限なのがいまひとつ解せない。
供給曲線はもっと解せない。「供給者は高いものをたくさん売りたい。安いものは少量しか売りたくない」。う~ん…?そうか? 安いものはたくさん売って採算を取ろうとするんじゃないの? で、高いものを少量売って収益の改善を図ったりしない?
経済学の初等的な部分がこんなのだとは知らなかった。私の専門は電気・電子なのでその基本はオームの法則である。これは厳然としたものであって、各変数が複素数になったり、オイラーの公式を適用されて交流理論になったりしても、この基本は変わらない。

学問すると言うことはつまり科学するということで、その基本である「科学の基本」というのはそういうものだと思っていたので、この需要曲線需要にはびっくりだ。
しかも、先に引用した記事では図の中の面積を「売り上げ」と認識しているらしい。これもびっくりである。曲線(その特殊な例が直線なので、その点については触れないことにする)とはいってもこれは連続した曲線ではないので、それを積分して有意なものにするのはとんでもない話だと思う。
で、例によってよく考えないままに思ったことを図にしてみるとこんな感じかな。
需要曲線というのは競合性ヒントの関係で決まったりするので、競合製品を境にして大きく振る舞いが変わってくるはずだ。
一方、いまどきの供給曲線というのは(実はIT関係製品を頭においているので)量産すれば安い高機能製品を高品質で作れるから、図の青い線のように右肩下がりになるような気がする。
まぁ、所詮は素人考えなので、特に供給曲線などは前提となっていることがまったくわかっていないってこともあるんだろうけど、どなたか納得のいく説明をいただきたいものです。
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