カテゴリー「文化・芸術」の28件の記事

2022年3月 6日 (日)

雲に映える夕陽に悩む

 夕陽を浴びた雲が写真になるとこんなにみすぼらしくなってしまう。

 むしろ、昔衛星放送で見ていた「絵描きオヤジ」ことボブ・ロスの絵画教室の絵のほうがこんな雲の様子をよく写し取っているように見える。

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 ボブ・ロスの絵画教室は面白かった。大好きだった「ここにハイライトを」「カドミウム・イエローをここに」とかいうのは翻訳の妙だったのか、Youtubeの翻訳字幕ではそこまで楽しい話のようには見えない。

 写真よりも油絵のほうが雲の奥行などを表現できているのはすごいことだと思う。ボブ・ロスの動画を見かえしてみようかな。

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2022年3月 2日 (水)

「未来の神話」で悩む。

スマホから投稿してみるテスト。写真を名前付けてダウンロードしたりしなくていい分、ちょっとは楽かもしれん。

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 このオブジェは神奈川県内某所に展示してあったもので「未来の神話」というタイトルが付けられていた。足元の銘板に作者名などが刻印されているのだが、写真ではよくわからない。川村ナントカさんだったと思うのだが。

 写真では質感が分からないと思うが、鉄片を溶接した上から着色しているようだ。

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他にもこんなのがある。タイトルは見忘れた。

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2017年7月 8日 (土)

「ケレン」で悩む

ある人と話をしていて「ケレンが…」と言ったところ、「ケレンって何? 何語?」という反応。「いや日本語ですよ。歌舞伎用語っていうか。」ということで話が続かなかったのだが、これってそんなに知られてない言葉なのか?

Kerenmi私の理解では「(パフォーマンス上で)ちょっと普通じゃないこと」というくらいのつもりだったのだが、WEBで検索すると、「はったりやごまかし」なんていうのが大手を振って定説になっているみたいだ。

どこかのサイトが自信ありげに書いたことをよく考えもせずに引き写しているサイトが多いようで、それをまたしたり顔でヤフー知恵袋で披露する人なんかがいておかしなことになっている。

辞書を引いてみると、左に引用したように「客受けを狙って変わったことをする」ということらしい。もともとは文楽か何かで他の流派の様式を取り入れた(それを「外連:けれん」と呼んだらしい)ことに起因するとか(諸説あり)。

「客受けを狙って」というのは私も知らなかったのだが音楽にしても演技にしても、まっとうなことばっかりじゃつまんないよね、ということでひねりを加えるということは必要なことだと思っていて、それが客受けを狙っていると言われれば確かにそうなんだけど、でもそれが例えばジャズなんかでは大きな要素となっているような気がする。

例えば演奏するときに代理コードを使ったり、アウトしたり、ブルーノートを使ったりするのもそうだし、曲をお作るときにもあえてスケール外の音を入れてみたくてコード進行をいじったりする。

で、それをやりすぎると嫌味だと受け取られるので、聞く人それぞれにその境界線がいろいろとあることによって「趣味」というものが形作られる、ってことなんだろうか。

しかしその根底には「客受けを狙って」ということがあるのだということ、勉強になりました。

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2016年9月25日 (日)

エッシャーのデッサンで悩む

「エッシャーの下書き」で悩んだのはつい先々週のことだったが、オークションで「エッシャーのデッサン」というのが出品されていたので入札し、落札することができた。

それがこれだ。

Escherdessans
中を開いてみると、オランダ語と英語の併刷だ。左側はドイツ語のようにも見えるが少しずつ違うので、たぶんオランダ語なのだろうと思う。そういえばオークションでも日本語」とは全く書いていなかったし、アマゾンで同等の書籍を検索しても出てこなかった。

Escherdessanpage
で、英語の部分をつらつら読んでみたりすると、なんだかどこかで読んだようなことが書いてある。全部ではないが、この本の一部は以前にこのBlogでも取り上げた「無限への挑戦」の中で訳出されているのだった。

肝心のデッサンはというと、例えばこういう今までには見たことのないパターンもあるが、むしろ英語の部分をもっと読まないといけない感じだ。

Escherdessan2

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2016年9月24日 (土)

エッシャーの父親で悩む

私が常々言及しているのはMC(マウリッツ・コルネリス)エッシャーだが、彼には当然ながら両親がいて、父の名前は英語読みで「ジョージ・アーノルド・エッシャー」という。彼らの母国オランダでは「ゲオルギ・アルノルド・エッセル」と読むらしいが、ここでは失礼ながら「アーノルド」と呼ばせていただく。

George_arnold_escher アーノルドが日本政府に招かれて日本に5年間滞在したことは以前にも書いた。当時の月給が450円ということで、これは破格の待遇だと思う。日本では淀川(大阪府)の治水工事や坂井港(福井県)の三国港突堤の工事を指導したらしい。この三国港突堤はやはり、というか「エッセル堤」と呼ばれているらしい。

私がアーノルドに興味を持ったのは、アーノルドが日本から持ち帰ったかもしれない浮世絵の影響をMCエッシャーの作品に見ることができるのではないか? ということからだった。

しかし、調べてみるとアーノルドは1843年生まれで、日本へ来たのは1873年で30歳のときだ。日本からオランダへ帰国したのは1878年で35歳の時ということになる。一方MCエッシャーは1898年生まれだから、アーノルドが帰国してから20年後だ。アーノルド55歳の時の子供である。

アーノルドは1882年にシャルロッテ夫人と結婚するが、この結婚は3年後の1885年に終了する。事情はわからないが死別かもしれない。シャルロッテとの間にできた異母兄がのちに地学者になってMCエッシャーに結晶学の本を勧めたりするのだが、えらく年の離れた兄弟だなぁ。

アーノルドがMCエッシャーの母であるサラと結婚するのは1892年である。サラは「大臣の娘だった」とある書籍には書いてあった。30歳で極東に派遣されるなど、アーノルドはある種のエリートだったのだろう。

アーノルドはMCエッシャーを技術者か科学者にしたかったらしいが、一方でピアノのレッスンを受けさせたりしている。これは母親の意見かもしれない。

そんなわけなので、アーノルドがMCエッシャーに浮世絵を見せたりというようなことはなかったようだ。MCエッシャーの版画作品を実際に見ると、線の間隔は最小でも1mmくらいで浮世絵(これも版画なのだが)ほどの精細度はない。むしろMCエッシャーの作品ではエッチングで最高の精細度が発揮される。

Eschernetsukesエッシャーは結局日本へ来ることはなかったが、日本と全く無関係であったかというとそうでもなく、この絵のような立体造形を日本の根付師に発注している。

「エッシャー自作を語る」からその部分を引用すると、

「私は中でもこの小さな象牙の球体g気に入っています。直径は約7.5cmです。デザインは私のものですが、彫りは私の最も親しいアメリカのお得意さん(コルネリウス・ルーズベルトのこと)からの注文で、日本人の根付師が行いました。」

日本人の根付師に発注するというのが米国人の意図だったように読めるが、ひょっとするとMCエッシャーの意図だったかもしれない。これは原文を見ないとわからないだろう。

まぁとにかくアーノルドは1939年に96歳で他界する。MCエッシャーは41歳だ。アーノルドもMCエッシャーも充実した人生だったんだろうなぁ。

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2016年9月 6日 (火)

エッシャーの下書きに悩む

静岡のエッシャー展ではエッシャーの作品もさることながら、作品の下書きが興味深かった。

たとえば、これは「深み」という作品の下書きだが(版木なので作品とは左右が逆)、

Escherdepthdesign2
エッシャーはさらにこんな下書きを描いている。

Escherdepthdesign1

これはやっぱり作図と計算で描いたんだろうなぁ。

計算と言えばこんなものもある(著作権に配慮して文章はモザイクをかけました)。ページの下側の作品を描くために上半分のような下書きを描いているわけだが、これは相当量の数値計算をしないと描けないと思う。

Escherinfinity

今ならEXCELもあるので(本格的な人ならMathLibを使うんだろうけど)、簡単にできるかもと思ったが、意外に時間を食ったわりには完成度が低いんだけど。

Escherdoubleloop
これはEXCELを使って、三角関数の計算を7000回、掛け算をおよそその3倍くらいだからざっと2万回くらいやってこれだよ。エッシャーはそれを手計算でやったのか?すごいなぁ。

9月9日追記:

しかし、計算や作図ではこういう絵は描けないと思う。発想が、その実現法によって制限を受けるということがないのだろう。

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そしてこの作品。いったいどうやって思いついたんだろうかと思う。

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さらにこの作品を分析したこの動画が素晴らしい。



関連情報:ドロステ効果

エッシャーはドロステ効果を遠近法の拡張として捉えていたんじゃないだろうか。

エッシャーとドロステ効果 : こういうふうに分析したらしい。

Drostestep4

もっとわかりやすい解説。

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2016年6月 1日 (水)

エッシャーの著述で悩む

エッシャーのことは何度も書いているが、こんな本が出ているとは知らなかった。お恥ずかしい限りである。画集とかばかり探していたのがいけなかったのか?

 

Eschertalkshisworksなんと言っても「エッシャー、自作を語る」というサブタイトルに惹かれてしまう。

 

まだ読み始めたばかり、というか正確に言うとまだ読み始めてはいなくて、あちこち拾い読みしている感じだ。この本はこんなふうにして楽しもうと思っている。

 

まずはこの本がどういう構成なのかを探ろうと思って目次からめぼしいところを拾い読みしているのだが、要するにこれはエッシャーによる書下ろしというわけではなくて、エッシャーの書簡や雑誌などへの寄稿、さらには講演会の予稿などから構成されている。

 

なので、最初から順をって読まずにいきなりその講演会予稿から読み始めたので、最初へ戻る気がなくなってしまったのだ。

 

エッシャーは1960年に一度アメリカで講演旅行をしている。1964年に再度講演の依頼があってエッシャーはそのために万全の準備を行った。完璧な予稿と100枚のスライドである。

その一部を(冒頭の部分)ご紹介させていただきたい(クリックで拡大されます)。

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右側の写真が最初のスライドらしいのだが、その左上のパターンが「非常によく知られた日本のパターンです」という説明になっている。

エッシャーがスペインのアルハンブラ宮殿で2度にわたってイスラム模様の模写を行ったということはよく知られているが、日本の影響を明確に指摘しているのは初めて見た。

エッシャーの父親は明治政府の招きで滞在した技術者だったので、きっと日本のものをいろいろと送ったりしているはずだと思うのだが、そういう事実の片りんでも見つかると面白いんだけどなぁ。



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2016年4月 9日 (土)

毛筆の技で悩む

Gakokoro 思うところあってこんなものを作ってみた。時間軸を細かく調整できるので、メリハリをつければ筆先の躍動感みたいなものを表現できるかと思ったのだが、図の変化分をもっと細かくしないとだめみたいだ。

この図では筆の運びを22分割しているのだが、100くらいにしないとダメかな? 100はちょっとしんどいぞ。

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2015年8月23日 (日)

日本の名前に悩む

ほとんどの日本の苗字が地理的な要素を持っている。これは明治維新の時だったか、おそらくは全国の戸籍を作成するために、それまで武家や公家にしか許されていなかった苗字が一般平民に許されるようになり、全国の村々で庄屋さんが「じゃぁお前は村の西だから村西だ。そっちのお前んトコは川口な。」というふうに決めていったのだろう。

そういうわけなので、たいていの名前はランドマーク的な部分を持っている。その部分に加えて相対的な位置関係を表す「上中下」「東西南北」「白発中(これは違う)」など、さらに概念的な文字「高、長」、「赤青黒」などが加わる。概念じゃないが、藤原家の関連家臣に許された「藤」の文字もこの扱いになるだろう。

ここで面白いのは、概念的な文字は2文字にはあまり来ないということで、もちろん例外はあるのだろうが、青山、青田はあっても山青、田青はまずない。図示してみるとこんな感じかな。

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で、以上のようなことを鑑みて、日本人の名前を自動生成させてみた。下の名前についてもちょっと考えたことがあるのだが、面倒だしわりとどうでもいい気がするので書かない。また、日本中の苗字を網羅するのが目的ではないので「藤」という文字も敢えて外してある。

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2015年8月 5日 (水)

公募デザインで悩む

東京オリンピックのエンブレムが盗作の疑いを掛けられていて、作者は「盗用は事実無根」、「全く似ていない」と主張している。

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しかし、円と長方形の組み合わせで、しかも文字をモチーフにしていると、似たデザインがすでにあるかもしれないということは想像しなければならないことだ。

遠慮なしにいうと、このデザインは筋が良くないと思う。基本的な図形の組み合わせだというだけでなく、なんとなく底が浅い感じがする。

問題は作者というよりもこんなデザインを選んでしまった審査員だ。世界中の登録商標を調べたということだが、今どき、Googleのイメージ検索でも使えば、既存の類似デザインも調べられるはずだと思うんだけどなぁ。

Compared

これを「全く似ていない」と言い切るのはなかなか勇気のある発言だと思う。


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