カテゴリー「音楽」の461件の記事

2024年10月17日 (木)

鉄弦切れて悩む

 ギターの弦が切れたら記録することにしている。切れた原因を調査し、同じように切れる事故を防ぐためだ。そのおかげか、近年ナイロン弦はほぼ切れることがなくなった。

 今回はとても珍しいことに鉄弦が切れた。0.012の1弦だ。これは1弦としては太いほうで、これを使う人は多くないし、切れるのは非常にまれと言っていいと思う。

Stealstringbroken
 切れたのは1弦をチューニングしているときだった。チューニングとしてはほぼ追い込みが終わっていて、正確にE音に合わせようとしていた時だった。弦に無理な力がかかっていないように見えるのに切れてしまったのは弦にストレスが溜まっていたのだろう。

 この弦を張ったのは2年前、購入したギター(VOX Gulietta)の弦が気に入らなくて手持ちのフラットワンドに張り替えたのだった。そのとき、(鉄弦の張替えは久しぶりだったので)1弦の巻き込みを間違ったりして巻き直したりとか弦に不要なストレスを与えてしまったものと見える。

 弦のストックは持っていないので、ばら売りを探すことになる。1弦だからメーカーはどうでもいいんじゃないかな。結局横浜イシバシで購入した。120円だった。

2e012

 心残りなのは、今回新しく1弦を張り替えるときにまたスムーズにできなくて、弦にストレスを与えてしまったことだ。1年持つかな?

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2024年8月18日 (日)

無電源ミキサーで悩む

都内某所でのセッションで、その場にはギター用のアンプが1台しかなく、しかもINPUTが一つしかないという代物だった。ギタリストは複数いたので、アンプをシェアするにはその都度ケーブルを抜き差ししないといけない。それが面倒だったのでその日はギターは弾かずにXaphoonをちょろっと吹いてそれで満足することにした。

 しかし悔しさは残った。ちょっとした回路を付けくわえるだけでアンプの入力を増やすことができるのに。

 なので作ってみることにした。回路は考えるまでもなくできている。電池とかスイッチゐ使いたくないので電源は使わない。二つの入力を抵抗を介してつないで、つないだ中点を出力とする。考え足らずかもしれないが、まぁそれくらいでちょうどいいのだ。問題はその抵抗値をいくらにするかだ。本当なら500kΩとか少なくとも100kΩくらいは欲しいところなのだが、ここをHi-Impedanceにするとノイズ混入しそうでいやだ。いっそ10kΩくらいに低くして、接続する機器をプリアンプ内蔵に限るとしたほうが安心な気がする。その代わり、プリアンプを持たない、例えばストラトとかレスポールとかの普通のギターを接続すると音質が変わってしまったりする可能性がある。あとはそれぞれの機器の音量調整で何とかなるだろう。

 回路はできているのだが、実際に組み上げるとなるとさすがに空中配線のブロックではまずい。物理的強度が必要だ。しかしアルミケースに金属加工するのは嫌だ。

 いろいろ見て回っているといいものを見つけた。建築現場で鉄骨を足場に組むためのものなんじゃないだろうか。12mmΦの穴が二つ開いているしケーブルを通すのにちょうどいいネジ穴もある。以前に使っていたがノイズが乗るので嫌になっていたケーブルがあったので、これをつぶして出力用ケーブルとする。

 そんなふうにしてできたのがこの簡易2chミキサーだ。まだ現場で活躍するチャンスはないが、自宅内での実験的な試用では期待通りの機能を発揮する。プリアンプのないギターでもとりあえず使えることを確認した。

2chmixer

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2024年8月12日 (月)

「Gentle Rain」で悩む






「Gentle Rain」という曲が好きだ。何が好きかというと歌詞で「We both are lost and alone in the world」とか「Come little one I got you in the world」とかいうあたりが。こういう極甘の歌詞とMajor7thコードを多用することからどうせフランシス・レイとかミシェル・ルグランあたりが作ったんだろうと思っていたんだが、なんとLuiz Bonfa作曲なんだそうで、しかも映画音楽だと。「Gentle Rain」なんて映画があることを知ったのは先月のことだ。長生きはしてみるもんだ。特にフランシス・レイに関してはボサノバのおいしいコードをうまく使って不当に高評価を得ている気がして好きになれないのだが、まぁそれは別の話。
 この映画はYoutubeで全編見れてしまう。しかし字幕は出ない。ブラジルの話なのだが、アメリカ人カップルの話なので主要な話はほとんど英語だ。しかも訳あって男のほうはしゃべれないという設定だから聞き取りも半分でよいことになる。だから字幕なしでもなんとかなる。
 でも「ラストシーンを説明してみろ」と言われてもうまく説明できない。

 映画の内容は「アメリカのお嬢様の旅先での行きずりの恋」という何ら共感できない話なので実はどうでもよくて、画像のバックに流れる音楽が素晴らしいのだ。音楽を担当しているのはLuiz BonfaとEumir Deodatoということになっていて、Deodatoはこのころ(1966)まだ20代前半だったのでアシスタント的な存在だったはずだが、名前をちゃんと出してもらっているのはそれなりの存在感があったのだろう。

 ブラジル映画と言えば「カーニバルの朝」がその主題曲と同様に有名だが、Gentle Rainもそれに匹敵する作品なのだと思う。対比して語られることは少ないんだけれども。

 映画の最初から聞いたようなメロディが流れてきて、おおこれは「Non Stop To Brasil」じゃないか。全般的にどういう曲が使われているのかというリストがないかと調べてみてGoogleのGeminiにきいてみたが「わかりません」という冷たい返事。「もっとちゃんと調べろ、サウンドトラック盤とか調べてみたら?」と突っ込んでやると、まさにサウンドトラック盤の情報を引っ張り出してきた。


サウンドトラック情報

タイトル: ザ・ジェントル・レイン(オリジナル・サウンドトラック)
アーティスト: ルイス・ボンファ, エウミール・デオダート
発売日: 1965年
収録曲:
ザ・ジェントル・レイン
オ・ガンソ(オーケストラ)
オープン・エア・マーケット
テイキング・ジュディ・ホーム
ビルズ・レター
イッツ・テンプティング
サタデイ・イン・リオ
ノンストップ・トゥ・ブラジル(オーケストラ)
オ・ガンソ(コンボ)
コパ・ビーチ
ザ・ジェントル・レイン(ソロ・ギター)
ノン・ストップ・トゥ・ブラジル(ギター&ストリングス)
プリーズ・ヘルプ・ミー・ワン・モア・タイム
ジュディズ・ストーリー
ザ・ジェントル・レイン(ソロ・ギター)
アクロス・ア・テーブル
ザ・ジェントル・レイン(メジャー・キー)
メジャー・キーのジェントル・レインってのがあるんですね。

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2024年7月 6日 (土)

電子サックスで悩む

 酒を飲まないしタバコも吸わない、ゴルフもしないしネクタイ労働をする気がないのでウチの子供たちは「父の日のプレゼント」で困ってしまうわけだ。「コメハゼを死ぬほど食べたい」という案は「死なれたら困る」ということで却下され、「割れせんべい1Kg」で手を打ったということもあった。(facebookに随時書き込んだものを転載しています。)
Ewi
 今年はちょっと違った。私にもほしいものがあったのだ。電子サックスだ。EWIともいう(Electric Woodwinds Instrument)。本格的なEWIはMIDI信号(電子化された音符情報:Musical Information Digital Interface)を出力することができて、しかるべき機材に接続するとその音符情報を加工したり様々な楽器の音で鳴らすことができる。そんなEWIのオモチャみたいなものが数千円で売られているのだ。おそらく音を出すことだけに機能を集中させているのだろう。ちゃんとしたEWIなら数万円するので、これは欲しい。アナログなサックスのオモチャは持っているのだが、デジタルものも欲しくなったということだ。このオモチャがどの程度使えるのか使えないのか見極めたいのだ。
ただし、メーカー名も製品名も全くわからない。
 さて、ではどの程度だったかというと、
・運指は独特で慣れるには時間がかかる。
・音程はさすがにしっかりしているし、ブレスコントロールもいい感じ。
・オクターブ切り替えは使いにくくてなれるには時間がかかる。慣れないかも。
・4つのサイドキーはフルートやサックスなどのF#キーみたいなものかと思ったが、全然違う。
・左右の2つずつのサイドキーは原則として半音上昇・半音下降なのだ。
・トーンキー(右手用3つ、左手用3つ)を全閉したとき、半音下降キーで全音下がる。つまり「ド」になる。
・キーはすべてタッチセンサーでストロークはない。つまり押し込むことはできない。
 つまり慣れればいいんだが、時間がかかりそう、というところ。
 興味ある人も多いと思うので、マニュアルの一部も引用しておこう。
Digitalsax
 
 一週間ほどちょこちょこと遊んでいて、いろいろと分かってきたことがある。
 まずは訂正だ。「すべてのキーがタッチセンサ」というのは間違いだった。オクターブ指定のキーは物理的なスイッチでクリック感がある。
 このスイッチに関しては引用しているマニュアルにも間違いがあって「長押しすると+1オクターブ」なんて書いてあるのだがこれが間違い。オクターブ切り変えるのに長押しなんてやってられない。瞬時に切り替わってくれないことには実用にはならないし。「+1オクターブ」というのも間違いで、もしそうだったら例えば8オクターブの音域でもカバーできることになるが、実際には上中下の3オクターブしかなくて、それを選ぶだけだ。とはいっても3オクターブあれば十分なんだけど。
 まずいのは半音上下キーがタッチセンサであることで、これらのキーもクリック感のある物理キーだったらよかったのに、触るだけで利いてしまうものだからこれをミスタッチすることで無茶苦茶になってしまう。コストカットの犠牲になったのかな。
 だから、半音上下キーを不用意に触らないように絶縁することを考える。簡単に言うと絶縁用のビニルテープ片を貼ってやればいいのだ。ほかにも熱収縮チューブとか絶縁塗料とか、あるいはキーを短く切ってしまうという手もあるな。
 ということで試しに絶縁テープを貼ってみた。確かにミスタッチは減るね。でも持続可能性が問題だ。ビニテはネチャネチャが残っていやだし。ま、とりあえずお試しだ。
Dsaxvyniltape
 マニュアルによればBlueToothやUSBを介してMIDI信号を出力できるはずなんだが、どちらも成功していない。
 
 本機をUSBでPCに接続するとWindows10はMIDI機器として認識するが、そこからアプリケーションにデータを渡すことができないようだ。BlueToothでスマホへ接続することもできる(BLE MIDIとして認識する)が、やはりアプリケーションへMIDIデータを渡すことはできない。

 お試しということで演奏したものを一発撮りしたものをYoutubeにuploadしたが非公開設定なのでここからは参照できない。購入して二日目だからこんなものだと思うのだが、あんまりひどいのでまたあとで録画したものを公開するかもしれない。


 オモチャとは言え、学ぶことはたくさんある。というか、使いこなすためにはいろいろと学ばなければならない。
■まずは絶縁テープを貼るという話だが、これには失敗した。ビニールテープで成功したかに見えたがこれは成功していなかったことが分かった。ビニテがネチャつくので透明なマニキュアで代用しようとしたが駄目だった。あれ?これって絶縁できないのか?とか思いつつ薄い透明テープで試してみる。この透明テープは厚さが0.02mmでビニテの0.16mmよりはずいぶん薄いが絶縁に関しては実績がある。ところがこれもダメなんだなぁ。そこでもう一度ビニテで試すと、これもダメだ。ビニテを4枚重ねてもダメだ。え?これって接触センサじゃなくて静電センサなのか?
 キーにそろそろと指を近づけてみるとキーの1mmくらい離れたところで効いてしまう。静電センサだったか。この件はしばらくペンディングだな。
■購入二日目にして「お試し」をやってBbが抑えにくいということを言い訳として
書いたが、この件に関しては進展があった。まだ思い付いただけでちゃんと練習していないんだけれども、BbということはつまりA#なのでBbが押さえにくいのであればA#として押さえることを考えてもいい。同じ音を出すのに複数の操作があるというのは普通の(アナログ)楽器ではあまりないことなのだが、このデジタルサックスでは同じ「Bb/A#」を出すのに図のように二つの方法がある(サックスモードの運指)。
このBbで二つのキーを押さえなければならず、その二つが離れているので「Bbが押さえにくい」と言ってたわけだが、こういう替え指で乗り切るという方法もあるな、と。
Fingerpattern_20240819084001
■オクターブキーがうまく使えないということを言ってたのだが、上中下の3オクターブのうち下のオクターブをデフォルトとして使うことにすると、常に下オクターブキーを押さえていることになるが、そのほうが返ってコントロールしやすいように思う。これはまだ練習中。


 もう一つ特記事項として、なんだか電池の減りが異常に早い。電池容量は800mAHということだが、3日持たないっていうのはちょっとどうかと思う。リバーブなんて機能を入れるからDSPがバリバリ働いているのだろう。電池が切れる時には何の予告もなくパタリと止まり、あれれと思って電源再投入しても反応がない、ということになる。
 ただ、充電しながらでも動作するので。モバイルバッテリーを常備していれば問題ないとは言える。

 ピッチシフトというボタンがあって、440Hzとか442Hzとかを切り替えるのかと思ったがそうではなくて半音単位でTransposeするということらしい。ピッチは440Hzであるようだ(実測値)。
 実際に操作してみると、±12半音まで変化させることができる。ということはつまり±1オクターブ音程を変えられるということだ。楽器の音域としては3オクターブしかないが、楽器の音程が1オクターブ上下できると音色としてもずいぶん変わることになって使える範囲が広がりそうだ。例えばフルートがアルトフルートになったりサックスがバリトンサックスになったりするわけだ。
 もともとデフォルトとして上中下の下のオクターブを選んでいるので、そこからさらにもう一オクターブ低く設定することができるわけだ。ただ、そういう設定にすると音の立ち上がりが遅くなる。そんなことまでシミュレーションしているのだろうか?

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2022年10月 3日 (月)

フルアコ・エレキギターで悩む

ギターを新品で買うのは15年ぶりだ。

Img_20221003_152757

セッションに持っていくのは薄型エレガットでいいや、と思っていたのだが、ボディ小さめのフルアコ―スティックのエレキギターがあればいなぁ、とも思っていたのだった。

「ボディ小さめのフルアコ―スティックのエレキギター」として長らく狙っていたのはCasinoだった。しかしCasinoには韓国製、中国製、日本製といろいろあって、弾き比べてみるとネックの(断面の)形が違っていて、日本製のは私好みのカマボコ型なのだが中国製は三角形のお結び型で、これはコードを「握る」ような使い方をするにはいいのだが、私はそういう使い方をしない。そして、日本製のCasinoの価格は中国製・韓国製の3倍近くする。さらに、実を言うとそもそもCasinoはそれほど小さくはない。ボディサイズが16インチということは40cmで、これはなかなかのサイズだ。そういうわけだったので、私はCasinoに手を出せなかったのだ。

CasinoはGibsonのES330を元に作られた。ここでなぜか私はこれをES339と勘違いしてしまって、4,5年ほど迷走することになるのだが、まぁその話はいいだろう。ES339にしてもES330にしても今では製造が終了していて、ビンテージとして高値で流通しているので、これらも私には手が出せなかったのだ。

そんなときに、学生時代からの友人であるTさんから「気軽にセッションに持っていけるようなギターはないかなぁ?」という相談を受けて探し始めた。私の最初のお勧めは薄型のエレガットだったのだが、いろいろ探しているうちにVOX社のGiulietta(おそらくジュリエッタと読むのだろう)という機種にたどり着いた。弦長628mm(24.75インチ)でボディサイズが342mm(13.5インチ)のフルアコースティックだ。これはいいなぁ。Tさんのために探していたのだったが、自分でも欲しくなっていたりして。

Giuliettaには同じボディサイズで2種類の製品がある。ピエゾ・ピックアップのVGA-3PSと、マグネチック・ピックアップのVGA-3Dである。ピエゾの方がカラーバリエーションも多くてしかもちょっと安い。でも、サンプルを聞くと音がやっぱりピエゾなんだなぁ。マグネチックのほうの音のサンプルを探していると、なんと渡辺香津美がレビューしている動画を発見。どうやらこのギターを日常的に使っているらしい。知らない人も多いと思うが渡辺香津美というのは伝説のギタリストで、どのくらいの伝説なのかというとあのYMOがワールドツアーを行ったときに帯同したギタリストだということでどうでしょう? このツアーには矢野顕子も帯同していたが、矢野顕子は坂本ファミリー枠だったしなぁ。

その渡辺香津美がYoutubeで「いわゆるMyギター」ということで自分のギターを紹介しているのだが、その#1がステージで使っているらしいレス・ポール、#2がGiuliettaのVGA-3Dで#3は久しぶりに弾くという、どうやら100万円超のアレンビックだ。この顔ぶれで#2ってすごくないですか?

まぁそんなこんなで、横浜のイシバシ楽器にマグネチックのVGA-3Dがあるらしいことを突き止めたので試奏に行ってみた。第一印象としてちょっと安っぽいなぁ、と。というのはネック側面の仕上げが気に入らなかったのと、ピックガードがぐらついているという点が気になったので。ピックアップはフロントのみというのが好感触。このギターは電子回路を持っているのだがこれをオフにしていると、ピックアップをHUMまたはSINGLEに切り替えて使うことができる。オンにした時の話は・・・面倒なのでやめておく(このページで「read more」というテキストをクリックすると詳細を読めます)。

ということをTさんに試奏体験をレポートしたところで私もこのギターが欲しくなって結局イシバシ楽器で試奏した個体を買ってしまった。色は黒・青・サンバーストから選べるのだが、円安のため再入荷を待つと値段が上がってしまうということで在庫している黒を選ぶしかなかったのが残念。Tさんもやはり同じ機種(黒)を購入したということだった。ミイラ取りがミイラになるというが、こういうのはなんて言うんだろう?

10月29日追記:

思い出したのだが、GiuliettaのGVA-3PSを候補から落としたのは「ピエゾ臭い」ということだけではなくて、電源が「キャパシタ」と記述されていたことが大きい。キャパシタっていうことはコンデンサだからねぇ。どのくらい持続できるのか明記されていないし、そもそもキャパシタって電源変動が大きいと思うので安定に動作するとはとても思えなかったのだ。

色そろえなんかは3PSのほうが良かったので惜しかったのだが、キャパシタということで断念せざるを得なかったのだった。

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2021年8月 1日 (日)

山崎まさよしの微分音で悩む

aikoの「カブトムシ」で微分音のことを書いたときに、山崎まさよしの「セロリ」に言及した。その件が気になっていたので深堀りしてみる。

つまり、「育ってきた環境が違うから~」の「ら~」のところで、キーAでD7のコードを使ってナチュラルCを歌うということをやっているわけだが、それをさらにミクロに調べてみよう。

「ら~」の部分は譜面的にはナチュラルCだが、私は山崎がナチュラルCとC#の間のどこかの音程で歌っているのだと思う。私の仮定ではA音を基準とする「2/7(平均律7音音階の2番目)」の音程ではないか、と思っている。

Scale7_on_a

なので、以下のような音程でメロディを追いかけてみた。「ら~」をナチュラルC、2/7、C#およびそれらの音の中間である530Hz、545Hzで表現したメロディである。

523Hz ナチュラルC
530Hz
536Hz 2/7_on_A
545Hz
554Hz C#

山崎まさよしの歌っている音程はどれだろう?

 

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2021年7月29日 (木)

ギターのミニチュアで悩む

去年の夏ごろだったと思う。その辺に転がっている木切れでギターのミニチュアを作ってみた。これをギターのケースに付けたりしていたのだが、落としそうになったのでやめてしまった。ギターかついで出かけることもなくなったしね。

Guitarmodels 

モデルにしたのはこの二本。上のは13年前に購入したエレガット。下の方は仕事帰りのセッションに便利なトラベラーズ・ギターの「Speedster」だ。こうやってミニチュアと実物を並べると、いろいろアラが見える。エレガットのヘッドにも色を付けたらよかったとか、ネックがちょっと曲がっとるとか。

Guitars2

あまり細かいところは作り込むことをはじめから諦めていたのだが、プロが作ると細かいところも手を抜きつつ職人技を見せてくれる。

下の写真はヤマハで売られていたストラップ用のミニチュアだが、まずネックを思い切り太くして強度を付けている。ヘッドの造りがよく見るとすごくて、こういう工作はできないなぁ。1mmのドリルで等間隔に穴をあけてアルミ線を埋め込むことも考えたが、「等間隔」というのがちょっと無理だった。

こんなのを数百円で売りものにできるのはすごいなぁ。

Acguitar

そういえばこんなのを持っていることを思い出した。これは細いネックを牛骨で作ることによって強度を確保している。10年以上前に買ったのだと思うが結構高かった。実はこのミニチュアより安いギターを今でも2本使っている。バッグのジッパーにつないでいるのだが、落としたくないので常にバッグの中に入るようにしている。だから外から見えなくて何のためのアクセサリーなのやら。

Bone_20210729175301

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2021年7月28日 (水)

aikoの微分音に悩む

aikoはデビュー前後の頃に、「この子をデビューさせたいんですよ」というふうに番組で紹介されていたのを見て印象的だったのを覚えている。

その後有名になってきたころにはなんだか不思議な音程で浮遊感がある声だなぁと思っていた。特に調べることもしていなかったが、aikoというのは微分音をつかう人なのだろうという確信あるいは思い込みを持っていた。

今年のある日、Youtubeでaikoの「カブトムシ」を聞いていて、冒頭の部分でいきなり微分音だなぁ、と思いつつ同じ曲をほかの人がカバーしているのを聞いて「あ、全然aikoの音程を再現できてないじゃん」と思った。今回この投稿を書くにあたってその「カバー版」を探したのだがどれだか探せなかった。その時には明らかに音程が違っていることが分かったのだが、なんというか歳のせいで鈍感になったのだろうか?

ちょっと聞いてほしいのだが、これが参考にしたaikoの「カブトムシ」オフィシャルのMVもあるのだが音程を修正してあるかもしれないと思ってライブのを選んだ。ライブ動画はもう一つあるのだが、そちらのほうはご本人の調子が悪かったのか音程が悪くて参考にならないと判断した。

 

で、仮にカバーとして選んだのがこれなのだが、今聞いてもaikoと大きな違いが聞き分けられない。これじゃなかったと思うんだが、このカバーはカラオケの点数をつけるために音程を判定しているので違いが出るのではないかと思って選んだ。

 

で、ここで重大発表です。私はaikoの微分音についてちょっとした仮説を持っているんです。それはまずaikoの微分音の正体は「Blue Note」であり、そのBlue Noteというものが実は「平均律7音音階」というものではないか、と考えているのです。

我々が普通つかっている音階は「平均律12音音階」とでも言うべきもので、1オクターブ(周波数にして2倍)を12等分(2の1/12乗ずつの等比級数)し、それを全音半音の組み合わせによってドレミファソラシの7音階にしている。この12音階から7音階にする過程については別項で書いた

7音音階についてはまたあとで詳しく解説するとして、「カブトムシ」に戻ろう。

「カブトムシ」を譜面通りに(つまり12音音階上の7音音階で)演奏するとこうなる。テンポがちょっと遅いがごめん。

これを7音音階で演奏するとこうなる。違いが分かるかなぁ? このバリエーションは当初、微分音の疑いが濃いEbの音だけを平均律7音音階にすり替えるつもりだったが、思い切って全部の音を平均律7音音階にしている。

同じに聞こえる? 同じファイルじゃないかと疑ったりしてる? 実は私も疑った。なので二つのファイルを同時に鳴らしてみた。そしたら周波数差によってビート(うなり)が発生している。ふたつのWAVファイルをステレオの左右にできればよかったのだが、私の環境ではできなかった。

似たような微分音は山崎まさよしの「セロリ」の冒頭でも言えるとは思うのだが、はっきり言うとカブトムシで力尽きたって感じ。

 

では曲を離れて、平均律7音音階について語ってみよう。

まず、これが平均律7音音階の音です。単音8つのあと、"ダイアトニック"の三音和音を8回鳴らしている。

Scaleruler7

普通の音階と平均律7音音階の関係は左の図のようになる。7音音階と5音音階の刻みをEXCELでキレイに付けたかったのだが、インクと紙と時間を散々無駄にした挙句うまくいかなかったので手書きにした。例えば「2/7」は平均律7音音階の(ゼロから数えて)2番目の音であることを示している。

この鍵盤の図にはちょっと仕掛けがあって、12音音階を均等に配置できるようになっている。右側のマスキングテープを貼ってある部分は上下にスライドして12音音階に対して相対的な音階を表示できるようになっている。この場合は根音がCなのでスライドはさせていない。この仕掛けはもともと別の用途に使うつもりで作ったものだ。それについてはまた別の機会があるだろう。

この7音音階と普通のハ長調の音階とを比べると、2/7、3/7、6/7がそれぞれ3度、5度、7度の音に対応するBlue Noteになっている、というのが私の指摘だ。普通の音階と平均律7音音階を組み合わせてブルージーなフレーズを作るということもやってみようとは思っているのだが、まだ手を付けられないでいる。

この7音音階がそれ自体で音楽を支える音階として成立しないのは、近似的に整数比となる和声を構成できないからだ。さらに言うと、音階には周波数比で1.5倍(普通の音階で5度の音程)というのが重要なのだが、7音音階では主音に対してほぼ1.5倍の音はあるのだが、その音のさらに1.5倍が7音音階上にない(普通の音階ならドに対して1.5倍でソ、ソの1.5倍でレ)ということがある。12音階が使われるのは偶然ではないのである。

普通の音階も比較のために置いみよう。

そういえば、平均律5音音階というのも、ペンタトニックなんてものがあるなどいろいろ検討はしているので、それも置いてみようか。いらない?

しかし、伴奏付きの歌はどうにも周波数を測定できなくてもどかしい。たまたまギターで微分音を出している例があったのでそれを紹介する。

これはtakiさんから紹介された「美人ギタリストシリーズ」の一環で、バーデン・パウェルの「宇宙飛行士」をアシュレイ・ルセロという人が弾いている。最初にアルペジオでA、F#、C#、E、Bと弾いているのだが、最後のBの音に違和感を感じる。

 

Bの音は本来ならば494Hzのはずなのだが、測定してみると507Hzあたりになっている。これは2%の誤差だが周波数は半音で6%違うので、2%の誤差は無視できない。おそらく演奏誤差ではなくて意図的な演奏行為だと思うので、その点を動画のコメント欄で質問してみたが全く返答がない。まぁ演奏者個人のチャネルではないので仕方がないのかな。

505hzb

ちなみに507HzというのはBass音のAを基準とすると平均律5音音階の1/5である。これもなにかのご縁かも。

 

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2020年8月 7日 (金)

レジェンドのライブ動画で悩む

ジョアン・ジルベルトというのは簡単に言うと「ボサノバを作った人」だ。まぁ実は諸説あって、もともとはリオの中産階級の子女の中から生まれたムーブメントであって、ジョアンもその中の一人にすぎないという人もいる。しかし、ジョアンなしには今我々が知っている「ボサノバ」という形態にはならなかったと思われる。そもそもジョアンなしには「ボサノバ」という名前を以て一つのジャンルを構成することはなかったのではないだろうか。

そんなジョアン・ジルベルトのライブ画像が発売になるという広告が新聞に載っていた。これはちょっとチェックしておかないといけないかな。

Joao_live_ad_20200807091401

ジョアンジルベルトは2003年、2004年、2006年と3回来日していたそうだ。私は2004年だけだと思っていたが、2008年にも計画はあったもののドクターストップだったか何だかの理由で来日はかなわなかったらしい。ジョアンは1931年生まれなので2008年には77歳だったことになる。ジョアンはその後2019年に亡くなった。

ジョアンの作品はいくつも持っているが、実際に演奏している動画は(Youtubeにもいろいろあるけれども)持っていない。この「音楽を所有する」ということが私には大事なので、これは買っておいてもいいかな。Blu-rayで5500円というのがちょっと引っかかるがまあ仕方がないかな。Blu-rayなら特典映像なんかもいろいろあるのかもしれないし。

Joao_live_br_20200807091401
しかし、特典映像は何にもなかった。トップメニューには「PLAY ALL」、「CHAPTER」、「SETUP」しかない。収録曲は以下の通り。

01. Ligia(Antonio Carlos Jobim)
02. Pra Que Discutir com Madame?(Janet de Almeida - Haroldo Barbosa)
03. Morena Boca de Ouro(Ary Barroso)
04. Doralice(Antonio Almeida - Dorival Caymmi)
05. Da Cor do Pecado(Bororo)
06. Tim Tim Por Tim Tim(Geraldo Jaques - Haroldo Barbosa)
07. Retrato em Branco e Preto(Antonio Carlos Jobim - Chico Buarque)
08. Samba de Uma Nota So(Antonio Carlos Jobim - Newton Mendoca)
09. Estate(Bruno Martino - Bruno Brighetti)
10. Samba da Minha Terra(Dorival Caymmi)
11. O Pato (Jayme Silva - Neuza Teixeira)
12. Corcovado(Antonio Carlos Jobim)
13. Aguas de Marco(Antonio Carlos Jobim)
14. Treze de Ouro(Heriverto Martins - Marino Pinto)
15. Desafinado(Antonio Carlos Jobim - Newton Mendoca)
16. Pica-Pau(Ary Barroso)
17. Meditacao(Antonio Carlos Jobim - Newton Mendoca)
18. Aos Pes da Cruz(Marino Pinto - Ze da Zilda)
19. Bim Bom(Joao Gilberto)
20. Chega de Saudade(Antonio Carlos Jobim - Vinicius de Moraes)
21. Garota de lpanema(Antonio Carlos Jobim - Vinicius de Moraes)

実は最後の「イパネマ」しかまだ聴いていない。できれば通して全部を一気に楽しみたいのでそのチャンスを狙っている。

ジョアンが来日した時に「遅刻して開演が1時間遅れた」とか「ステージ上で居眠りをした」という伝説があって、後者が収録されているというはなしもあったのだが、収録曲リストを見るとどうもこれはないらしい。居眠りしている間も観客は温かく見守っており、目覚めたときにはさざ波のような拍手が起こった、というふうな話も聞いているのでそれが収録されているかと期待したのだが。

イパネマの歌はよろよろしていた。ギターの演奏はしっかりしているのだが歌はフェイクなのかアレンジなのかミスなのか、譜面通りでなくても非難するには当たらないのだが、なんだか「あれれ?」と思うようなところもある。実際2004年の来日記念盤CDではジョアン本人がイパネマの収録を拒否したということなので、ご本人としても不本意な出来だったのだろう。だから本人ご逝去の後でこの動画が出てくるというところに意味があると思うのだ。

Joao_plays_guitar

実際に動画をTVサイズで見るとギターの古さに驚かされる。おそらくは50年物なんじゃないかな。その割には使っている弦がボールエンドである。これにもちょっと驚いた。まぁこれが楽でいいんだろうな。

 

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2019年9月 8日 (日)

ギタースタンドで悩む

Bruff1

タイトルに付けちゃったので、「これなんだと思う?」とは聞けないんだけれども、これはギタースタンドなんです。昔からこういう持ち運びのできるギタースタンドというのを見つけてしまうとついついほしくなって買ってしまうという悪癖があります。

その中でまずはこの超折り畳みなスタンドをご紹介したい。これはたぶん1数年以上前に買ったもので、ネットで調べるとひところはやったようだがその後ぱったりと売られている様子がなくなってしまった。

その理由はよくわからないが、ひとつには華奢すぎたのかもしれない。鉄骨みたいなものでできているので、それが曲がってしまうともうダメっていうか、使い勝手が落ちてしまう。

私の持っているこれも、実はちょっと鉄骨の曲がりによる不具合があって、各関節には適度な渋さが必要なのだが、それがなくなってしまって滑らかに動いてしまう結果、ちょっと使いにくくなっている。

それはそれとしてこのスタンドを展開していく様子をご紹介するとともに、このBLOGの画像挿入をスキルを上げてみようというテスト。Bruff2ほら、この文は2枚目の写真の右に置きたいのに、これがうまく置けない。

 

Bruff3Bruff4

 

 

Bruff5

Bruff6

Bruff7ちなみに

このスタンドの重さは450g。ちょっとした凶器になる。

AromaCasatama   KikusuiStandard

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